季節の行事
吉田神社
半年の厄を払い、残り半年の無事を願う神事
夏越の祓とは、1年の半分にあたる6月30日に、半年の間に身に溜まった穢れを落とし、残り半年の息災を祈願する神事です。神社には人の背たけよりも大きな茅の輪が据えられ、参拝者はここをくぐって厄除けを行います。これは旅の途中に宿を求めた素戔嗚尊を、貧しいながらも蘇民将来が厚くもてなし、その後素戔嗚尊の言った通り、茅の輪を腰につけていて疫病を免れたという故事に由来しています。また、茅の輪をくぐった後には、紙でできた人形に穢れを移して川などに流し、災厄を払う風習もあります。茅の輪が設置されている期間や日程は神社によって異なるため、事前に確認を。
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茅の輪のくぐり方
吉田神社
8の字をかくように左・右・左
茅の輪くぐりには、神社により作法があります。一般的には、神歌を唱えながら、まず茅の輪を左足から跨ぎ、左側からまわって正面へ戻ります。続いて左足から右側へまわり正面へ、さらに左足から左回りで正面に戻ります。8の字を書くように左・右・左とまわってください。最後に左足から跨いで、本殿へむかい参拝します。麻と紙を細かく切った「切麻(きりぬさ)」を体にふりかけ、身を清めてからくぐる神社もあります。
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人形に穢れを移して
吉田神社
体をこすったり、息を吹きかけることも
人形(ひとがた)とは、人の形を模した紙の形代です。夏越の祓では、この人形に自分の名前や年齢を書き、体をなでたり、息を吹きかけたりして、罪や穢れを託します。体の悪い部分をこすることで人形に厄を移すといった風習もあるそうです。茅の輪くぐりを行った後で、人形は身代りとして神社におさめたり、川に流したり、火で焚き上げたり。神社によって異なりますが、厄を払い、残り半年の息災を祈願します。
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水無月
氷に似せた
邪気を払う和菓子旧暦の6月1日は氷の節句。室町時代の宮中では、冬から氷室で保管していた氷で暑気払いをしていました。しかし、氷は庶民には大変貴重なもの。そこで形を似せた甘いお菓子で、息災を祈願したのが「水無月」です。ういろうの上に乗せた小豆には悪魔や邪気を祓う意味合いがあり、今でも夏越の祓には欠かせない和菓子です。
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百人一首にも
上賀茂神社
歌に詠まれた
上賀茂神社の夏越大祓上賀茂神社の夏越大祓は「百人一首」にも詠まれています。「風そよぐ ならの小川の夕暮れは みそぎぞ夏のしるしなりける」(藤原家隆)。涼しい風が吹く夕暮れに行われた禊の行事の情景をうたっています。現在も昔の風情さながらに、午前10時から茅の輪くぐりなどの神事が、午後8時から、ならの小川で人形流しが行われます。
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愛車の
茅の輪くぐり城南宮
車も茅の輪くぐりで
交通安全祈願京都市伏見区の城南宮では、人だけでなく車も茅の輪をくぐる「愛車の茅の輪くぐり」が有名です。7月上旬、直径5メートルに及ぶ茅の輪が敷地内の駐車場に設置されます。神職がお祓いをし、運転手は、車に乗ったまま、交通安全を祈願しながら運転して茅の輪をくぐりぬけます。バスやトラックも茅の輪をくぐることができます。
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