東山の緑を眺めながら、京都市の東側を家族でぶらり。ハイキング気分で東山エリアを巡ってみませんか? おにぎりを買って、動物園へ出かけたら、図書館カフェのコーヒーとクレープで休憩。ひと息ついたら琵琶湖疏水の水辺から、山の木々に抱かれるような神秘的な神社まで歩きましょう。最後は、銭湯で汗を流してすっきり! 京都を歩いて楽しむ、おすすめ散策ルートを紹介します。
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PICK UP SPOTは、メインスポットの前後での立ち寄り先候補としてご紹介するスポットです。ぜひいろいろと組み合わせ、あなただけのオリジナルコースを作ってみてください。
PICK UP SPOT
お弁当は絶品おにぎり
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青おにぎり
銀閣寺からほど近くにある「青おにぎり」は、店主一人で切り盛りしている手作りおにぎりの店。鉄の羽釜で炊いたごはんを、注文を受けてから一つひとつ握っています。しゃけやこんぶといった定番品のほか、ピリ辛のじゃこピーマンが入った「青鬼の爪」や、スルメを甘辛コチュジャンで和えた「赤鬼の身」などユニークなおにぎりも。メニューが消しゴムハンコで作られていたり、青鬼グッズが飾られていたり、可愛い店内にも注目。テイクアウトは1個からOKで、3個以上は竹の皮で包んでくれます。
日本で2番目に誕生! 「京都市動物園」
京都に動物園ができたのは明治36年(1903)のこと。東京・上野の動物園に続いて、日本で2番目に開園した歴史ある動物園です。京都市と市民の寄付によって作られたというストーリーからは、京都市民の動物園への強い想いがうかがえます。
園内には、約120種約550点の動物たちが暮らしています(2018年10月現在)。その特徴は、かなり近くで動物を見ることができること。正面エントランスから入って最初に目にするのは、アムールトラやライオン、ツシマヤマネコなどがいる「もうじゅうワールド」ですが、オーバーハングと呼ばれる下から見上げるタイプの檻があったり、観客通路の上を動物たちが通る空中通路が設けてあったり。寝そべっている動物のお腹や、歩いているときの足の裏まで、間近で見るチャンスがあるのです。運良く動物が近づいてきたときは、大人でも怖いくらいの迫力です!
もちろん、動物たちの愛らしさに笑顔になれる場所も。人気のレッサーパンダの食事タイムは、ガラスを隔てたすぐそこ。まるでぬいぐるみのように毛がフサフサで、子どもたちも大喜びです。そして、可愛さで負けていないのが、フンボルトペンギンたち。目の前の水槽でスイスイ涼しそうに泳ぐ姿を、子どもたちが見つめる和やかな時間に、思わずほっこりすることでしょう。
園内には観覧車などの遊具も。
このほか、ニシゴリラやキリン、アジアゾウなど、見どころは数え切れません。園内にはベンチがあちこちに設置してあるほか、週末は芝生を開放していているので、ランチや休憩の場に。ベビーシートや授乳室もあり、小さな子ども連れにも配慮されています。それから、旅行者にうれしいのは、正面エントランスのコインロッカー。旅の途中で増えた荷物はここで預けて、思いっきり楽しみましょう。さまざまな動物との出会いに、大人も子どももワクワクできるスポットです。
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新感覚のブックカフェ
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スロージェットコーヒー インザズー
家族でたくさん歩いた後は、動物園から歩いてすぐのカフェへ。ハンドドリップでゆっくり淹れる「スロー」と、マシンで高速抽出する「ジェット」の、2種類のコーヒーが楽しめるテイクアウト専門店です。バターの風味豊かなクレープも人気なので、大人はコーヒー、子どもたちはクレープを。隣接する図書室には、動物にまつわる本がたくさん。動物の種類ごとに、図鑑や写真集、絵本、マンガなど多ジャンルの本が並んでいます。子どもと一緒に本を読みながらソファでゆっくり休むのもおすすめ。
1500年を超え都を見守る社 「日向大神宮」
琵琶湖疏水の高低差を解消するため作られたインクライン。かつては船をレールに乗せて運んでいた。
京都市動物園を東エントランスから出て、少し南へ行くと見える水路は、琵琶湖の水を京都につないでいる琵琶湖疏水。京都の近代化を支えた琵琶湖疏水は、今も生活用水として利用されており、周辺に静かな水辺の風景を作り出しています。疏水沿いに三条通へと歩くと、次に見えてくるのが緩やかな坂道にレールが敷かれた蹴上インクライン。フォトジェニックな桜の名所で、春はたくさんの人で賑わいます。
三条通をさらに進んで、ひっそりと立つ鳥居が見えたら、そこが次の目的地の、一の鳥居。ここから山の方へと歩くこと約15分。日向大神宮へ到着です。次々と景色が変わる楽しいハイキングコースで、子どもと楽しく、写真を撮りながらゆっくり歩くのにぴったりです。
日向大神宮が創建されたのは、顕宗天皇の御代(485〜487)と伝えられており、なんと、1500年以上前。天照大御神などを祭神とする歴史ある神社です。緑に包まれた境内を歩くと、目の前には東山三十六峯の山々が。その厳かな静寂に、心が洗われるような清々しさを感じます。
境内には、内宮(上ノ本宮)、外宮(下ノ本宮)をはじめ、たくさんの境内神社がありますが、子どもたちが特に興味を持つのは、パワースポットとしても知られている「天の岩戸」。大きな岩に人が一人通り抜けられるぐらいの細長い形をしたトンネルがあり、大人は背をかがめながら入らなくてはなりません。トンネルの角には戸穏神社があり、そちらにお参りをして、トンネルを通り抜けると、罪や穢れが清められると言われています。
自然に抱かれ、神聖な空気を感じながら家族で楽しむ京都ハイキング。街中とは一味違うのんびり旅を、満喫しましょう。