季節の行事
京都の春は、花街の優雅な舞踊とともに
春の京都を一層華やかにしてくれるのが「春のをどり」。祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒の4つの花街にある歌舞練場などで、毎年3月下旬から5月にかけて舞踊公演が行われています(祇園東は秋の公演)。目の前で繰り広げられる舞踊の素晴らしさはもちろんのこと、芸妓や舞妓がまとう華麗な衣裳も見所のひとつ。それぞれの花街で舞踊の流派や演目が異なるため、期間中、各所をめぐり「春のをどり」をじっくりと堪能するのもまた一興です。
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公演を始めたきっかけ
昭和13年 第71回都をどり「旭光遍輝」
第6景「雪の圓山」舞台風景第一回京都博覧会で披露
明治5年(1872年)に、第一回京都博覧会が開催されたとき、その余興として祇園の芸妓・舞妓の歌舞を披露しました。これが「都をどり」の始まりです。祇園新橋小堀の貸席松の家を会場に、80日間に渡って行われ、大変好評を博したそうです。その後昭和初期まで、京都博覧会はほとんど毎年開催され、「都をどり」も続けられました。このことが、毎年春に花街で舞踊の公演をすることにつながっています。
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どんな演目?
(左上)都をどり、(右上)鴨川をどり
(左下)京おどり、(右下)北野をどり舞にあふれる各花街の個性
祇園甲部で行われる「都をどり」は、京舞井上流独特の美しい所作が特徴。きらびやかな舞台は外国人観光客にも人気があります。名所や名物を題材にした演目が楽しめる宮川町の「京おどり」、純舞踊と舞踊劇で明治5年の初演以来の伝統を感じさせる先斗町の「鴨川をどり」、そして新たな挑戦を続ける親しみやすい上七軒の「北野をどり」。各花街で趣向を凝らした舞台はどれも見応えがあります。
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歌舞練場
芸妓・舞妓が稽古の成果を
披露する劇場芸妓・舞妓が舞踊などを披露する場であり、「春のをどり」の会場でもある歌舞練場。1872年、京都博覧会の附博覧(余興)として祇園で行われた芸妓・舞妓の公演が好評を博し、翌73年に建仁寺塔頭であった旧清住院の建物を利用するかたちで祇園新地に歌舞練場が設置されました(写真)。以降、ほかの花街も続いて、歌舞練場を持つようになりました。
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ギオンコーナー
日本の伝統文化を
約1時間で堪能祇園甲部歌舞練場小劇場では、舞妓による京舞をはじめ、狂言、舞楽、茶道、華道、箏曲、文楽、能など日本が世界に誇る伝統文化や伝統芸能をダイジェストで、約1時間でご覧いただけます。
※時期によって文楽または能のどちらかを披露します。
秋のをどり
錦秋の京都を彩る舞踊公演
11月に開催される花街の舞踊公演が祇園東の「祇園をどり」です。祇園東の芸妓・舞妓たちによる艶やかな舞台が繰り広げられます。また、祇園甲部は「温習会」、宮川町は「みずゑ會」、先斗町は「水明会」、上七軒は「寿会」と、ほかの花街でも舞や踊りの成果を披露する舞台が秋に行われています。春とはまた違った芸妓・舞妓たちの舞踊を、錦秋の京都でも楽しむことができます。
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