どんな祭?
葵祭
開催日:5月15日
雨天順延(前日18時頃判断)
2024年(令和6年)NHK大河ドラマ「光る君へ」の主人公・紫式部が記した『源氏物語』にも登場
爽やかな初夏の京都を優雅な行列で彩る葵祭。今から約1500年前に始まったとされる賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭です。5月初旬からさまざまな行事(前儀)が行われ、5月15日には、およそ8キロもの距離を、平安装束をまとった人々が練り歩く「路頭の儀」が開催されます。
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- 二葉葵と桂 -
葵祭の〝あおい〟って何?
「路頭の儀」(行列)の御所車、勅使、供奉者の衣冠などに飾られた緑の葉。これは「葵桂(〝あおいかつら〟または〝きっけい〟)」といって、桂の小枝に、下鴨神社と上賀茂神社の神紋である二葉葵の葉を絡ませたものです。葵祭は、もともとは「賀茂祭」と呼ばれていましたが、江戸時代に祭が再興されてから葵の葉を飾るようになり、「葵祭」と呼ばれるように。祭で使われる葵は毎年両神社から御所に納められています。
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- 平安王朝の装束 -
平安絵巻が目の前に!
祭の見どころは、天皇の使者である勅使が下鴨、上賀茂の両神社に参向する道中の「路頭の儀」。近衛使(勅使代)をはじめ検非違使、内蔵使、山城使、牛車、風流傘、斎王代など、古の姿そのままに馬36頭、牛4頭、500余名の行列が京都御所建礼門前より出発し、王朝絵巻さながらに行われます。平安貴族の装束を身にまとった人々の行列は、葵祭のハイライト。日本の伝統的な美意識を感じる貴族の衣裳に注目を。
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- 平安文学にも登場 -
『源氏物語』の“車争い”
光源氏の愛人である六条御息所は、御禊の行列に参加する源氏の姿を見ようと牛車で沿道にきていました。そこに、遅れて光源氏の正妻・葵の上の牛車がやってきました。葵の上の従者に、六条御息所の牛車は強引に立ち退かせられてしまいます。六条御息所は大衆の面前で辱めをうけ、惨めな思いを抱く、というお話です。
平安時代の『源氏物語』にも記される葵祭(当時は「賀茂祭」)は、古から人々に注目される行事でした。
画像提供:北村美術館
路頭の儀のようす
京都御苑・下鴨神社参道
「路頭の儀」をじっくり観覧できる、有料観覧席のおすすめポイント
- 行列出発地点の京都御苑と緑豊かな下鴨神社参道の2か所に観覧席がございます。
- 行列(路頭の儀)は、総勢500余名もの大行列です。座って、ゆっくりと見学できます。
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- 例年注目が集まる -
葵祭のヒロイン・斎王代
五衣裳唐衣(いつつぎぬものからぎぬ)をまとい、腰輿(およよ)という輿に乗って登場する斎王代は、葵祭のヒロイン。平安時代には内親王が「斎王」として祭に奉仕していましたが、鎌倉時代に途絶えていました。昭和31(1956)年、葵祭を盛り上げようと市民から斎王代が選ばれ、女人列が復活しました。
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- 御所車・風流傘 -
乗り物や道具類にも
注目行列のなかで、ひときわ目を引く乗り物が「御所車」と呼ばれている牛車。薄紫色の藤の花の装飾を揺らしながら、車輪を回してゆっくり進みます。また、大きな傘の上に、牡丹や杜若などの花を飾り付けているのは風流傘。このほか、行列には、さまざまな道具類が登場します。
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- 多彩な神事 -
流鏑馬神事などの「前儀」も
平安貴族の装束をまとった行列が有名な葵祭。そのほかにもたくさんの行事が開催されています。5月1日の競馬足汰式(くらべうまあしぞろえしき)、5月3日は流鏑馬(やぶさめ)神事、5月4日には斎王代女人列御禊神事など、「前儀」と言われるさまざまな儀式が下鴨神社や上賀茂神社で行われます。