2025年03月11日(火)
【京都・夜観光のススメ企画(②夜のカフェ・スイーツスポット)】 京町家で“夜パフェ”を楽しむ~「QeFare(ケハレ)」~
街なかのモダンな京町家で“夜パフェ”を楽しむ
美食の都・京都のなかでも最先端をゆくグルメエリア、河原町。ディナーの後や、一日のシメにいただく夜スイーツに注目です。今回は、京都市営地下鉄、京都市バス、阪急電車、京阪電車のいずれからも好アクセスの、京町家のパフェ専門店へとご案内しましょう。繊細な味わいを重ねたパフェグラスとお酒を傍らに、耽美な夜時間を過ごしてはいかが?
築100年の京町家をリノベーション
阪急電車の終点、京都河原町駅から徒歩4分ほど。メインストリートの四条通から富小路通を上がってほどなくすると、格子窓や、一文字瓦、魔除けの“鐘馗(しょうき)さん”など趣ある意匠を残す京町家と純白の暖簾が目に留まります。こちらが、お目あての「QeFare(ケハレ)」。すぐ近くには、古くから京都の食文化を支えてきた“京の台所”錦市場もあります。
当日席が空いていれば入店できますが、事前に予約しておくと安心。「TableCheck」または、google検索で店名を入力すれば表示される「席を予約」ボタンから進む方法のいずれかで。チャージ不要で席だけ確保できるgoogleでの予約がおすすめです。
日本古来の家紋、月星紋に太陽をイメージした円をあわせたシンボルマークが目印です。
店名は、食や生活にまつわる京都の文化を表現するときに使われることも多い、「ケ」(日常)と「ハレ」(非日常、特別な日)ふたつの言葉を合わせたもの。「日常と非日常を接続し、ふたつが溶け合う場所に、という意味を込めています」そう語るのは、現役の内科医でもあるオーナーの老木悠人さん。パフェ好きが高じて東京でさまざまな店を巡り歩いてパフェを探究し、2023年6月にここ京都で自身のパフェ専門店をオープンさせました。
暖簾をくぐり、引き戸をガラリと開けて中へ。1階のレセプションカウンターで受付を済ませたら、階段を上がって2階のテーブル席に進みます。
100年の時を経た柱や梁を生かしつつリノベーションされたモダンな空間。大理石のようにも見えるテーブルは、風合いの良い和紙を幾重にも重ねて樹脂でコーティングした特注品で、テーブルごとに表情が異なります。日本の美を尊びつつ現代の感性を融合させたシンプルなインテリアが、パフェの鮮やかな彩りを際立たせるのです。
定番と季節限定、どちらのパフェを選ぶ?
案内された席で専用のiPadを使ってメニューを選び、オーダーするスタイル。パフェは、「The Parfait~王道のパフェ~」、生クリームたっぷりの「SHIRO~遊び心のパフェ~」の定番2種のほか、このときは旬のいちごを使った「KOI~いちごのパフェ~」と「AI~いちご好きへ贈るパフェ~」の4種。「今日は甘いものを少しだけ」、そんな気分のときのためにコンパクトサイズのアイスも用意されています。
「The Parfait~王道のパフェ~」税込1,700円
定番の「The Parfait~王道のパフェ~」は、スイーツ界のベストパートナーともいえるチョコとバナナを使った大人のパフェ。ラングドシャ、ハート形に仕立てたフランボワーズのムース、生クリーム、パールクラッカン(粒状のシリアル)、チョコアイス、マスカルポーネのアイス、キャラメリゼしたバナナのソテーなどを重ねています。サクッとエアリーな舌ざわりから、ふんわり、まったり、とろ~り……スプーンを運ぶたびに変化していく食感と味わいのバリエーションが楽しめます。
「KOI~いちごのパフェ~」1,900円
季節限定「KOI~いちごのパフェ~」は、フレッシュないちご、いちごのマセレ(洋酒漬け)、いちごのソテーなど、選りすぐりのいちごを多彩な手法でアレンジして重ね合わせています。「パーツ(具材)があるからパフェを作るのではなく、パフェのためのパーツ(具材)を作ります。アイスも手づくりし、グラス全体を通した甘さや味わいを意識しています」。老木さんの、パフェへの思いが伝わる逸品です。
「平皿にのったフランスのパルフェ(parfait)がパフェの発祥とされていますが、世界的にみても、繊細なモノを組み合わせて縦に積み上げていくスタイルは日本独自だと考えます。日本のパフェを通じて、国内外の方々に今の日本文化を楽しんでいただきたいですね」
と老木さんは話してくれました。
「自家製リモンチェッロ」税込1,001円
ドリンクは、浅煎りのホットコーヒー、オリジナルブレンドの中深煎り水だしアイスコーヒー、紅茶、クラフトコーラのほか、梅酒やウイスキーなどアルコール類もそろうので、カフェやバーとして利用するのもよさそうです。
吹き抜けの天窓からこぼれる月明かりの下で、日常と非日常の間でゆらぐ時間の心地よさはこの上ないもの。大切な人を連れて出かけたくなる一軒です。
今回のスポットの基本情報
【店名】QeFare(ケハレ)
【電話】075-600-0177
【住所】京都市中京区西大文字町613
【アクセス】阪急京都河原町駅から徒歩4分
【営業時間】19:00~23:00(L.O.22:15)
【定休日】火・水曜
【外国人対応】英会話のできるスタッフがいる
【子ども同伴】可
【タバコ】禁煙
【写真撮影】可
【バリアフリー】対応なし
【多言語対応メニュー】英語メニューあり
【支払方法】現金、クレジットカード、PayPay
※特別な記載がない限り金額は消費税・サービス料込
※2025年3月取材時点の情報です。
ライター・カメラマン情報
ライター:佐藤 理菜子
築90年を超える国指定・登録有形文化財の京町家を拠点に京都の魅力を発信する株式会社らくたびに所属。猫と日本酒をこよなく愛する、旅行情報誌やWEBの編集者&ライター。神社&お寺、レトロ建築、苔庭、水辺の風景、和菓子店めぐりも好む。
カメラマン:マツダナオキ
富山県生まれ、東京都内の撮影スタジオで3年間スタジオマン経験後フリーランスのカメラマンに。13年前に縁もゆかりもない京都に移住。カフェ撮影を得意としつつ人物、料理、風景、建築などオールマイティにこなす。HP
今回の記事の読者特典
20時までに来店し、オーダー時に「『夜観光のススメ』を読んだ」と言っていただいた方に500円引き
※2025年9月30日まで有効
今回の記事制作担当
株式会社らくたび