朝観光のススメ

2022年07月25日(月)

朝観光

京都市ビジターズホストがおススメする 「夏におすすめひんやりスポット ~早朝に歩く奥嵯峨・嵐山~」

夏の京都観光は朝の涼しい時間にスタートするのがおすすめ。今回は平安時代の貴族の避暑地としても知られている、奥嵯峨から嵐山周辺を散策するコースをご紹介します。奥嵯峨にある「愛宕念仏寺」を出発して、鳥居本地区の風情あるまち並みを抜け、嵯峨野から竹林の小径を通り最終目的地の天龍寺まで歩きます。少し早起きして嵯峨嵐山の豊かな自然を堪能しましょう。


天台宗 愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)
JR「嵯峨嵐山」駅をスタートし、バス停「野々宮」より京都バス・清滝行に乗車、「愛宕(おたぎ寺前」で下車します。奈良時代に創建された古いお寺ですが、現在の地に移されたのは大正時代。8時の開門直後の境内にはひんやりとした空気が漂っています。まず目に入るのが地蔵堂を見上げる崖の草むらで出迎える羅漢像です。仏像彫刻家であった先代住職が寺門興隆を願って彫り始めた羅漢石像ですが、住職の思いに賛同した一般の参拝者たちが自ら石像を彫り奉納し、その数は1200体を数えます。優しい表情の羅漢の中に、ギターを抱えていたり、テニスラケットを持っていたりとちょっと変わった羅漢さんを見つけるのも楽しいですよ。




 

基本情報

天台宗 愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)
【住所】京都市右京区嵯峨鳥居本深谷町2-5
【拝観時間】8:00~16:30
【アクセス】JR「嵯峨嵐山」駅下車、バス停「野々宮」より京都バス・清滝行 「愛宕(おたぎ)寺前」下車(阪急嵐山駅前より・同上バス)
【電話番号】075‐285‐1549



嵯峨鳥居本から竹林へ
愛宕(おたぎ)念仏寺を出て南へ歩くと、すぐに愛宕(あたご)神社の一の鳥居が見えてきます。山の緑と朱の鳥居、かやぶき屋根が美しい景観を作っています。鳥居をくぐり、愛宕街道を南に進みます。



町家風の家並みが続く嵯峨鳥居本地区を抜け南へ進むと、今度は里山のような風景が広がります。こうして数分歩くごとに違った景色が楽しめるのも嵯峨野の魅力の一つです。



小倉池の前を通過して、野宮神社・天龍寺方面へ進み竹林の小径へ。日中は多くの観光客で賑わう竹林ですが、朝はゆっくり散策できます。竹の葉が風に揺れる音や鳥のさえずりを聴いていると暑さも忘れそう。


 

基本情報

嵯峨鳥居本~竹林の小径までの所要時間(徒歩 約30分)



臨済宗天龍寺派大本山 天龍寺
竹林を抜けると天龍寺の北門に到着します。自然の傾斜を生かして整備された庭園、「百花苑」の先に境内の建物が見えてきます。天龍寺は室町時代、足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために創建されました。方丈前に広がる「曹源池庭園」は約700年前の創建当時の姿を残し、嵐山や亀山を借景にした美しくもダイナミックな庭です。ときおり鯉の跳ねる音や鳥のさえずりが響く開門直後の時間がおすすめです。ベンチに腰かけて庭をぼんやり眺める贅沢なひとときが過ごせます。




 

基本情報

臨済宗天龍寺派大本山 天龍寺
【住所】京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
【拝観時間
】8:30~17:00
     (受付終了時刻:本堂16:30、庭園16:50、法堂「雲竜図」特別拝観16:20)

【アクセス】・嵐電「嵐山」駅下車、徒歩約1分
       ・阪急電車「嵐山」駅下車、徒歩約15分
       ・市バス・京都バス「嵐山天龍寺前」下車、徒歩約1分
       ・JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩13分

【電話番号】075‐285‐1549



 

ライター紹介

勝見 優子(かつみ ゆうこ)
大学進学を機に移り住んで以来、京都を様々な角度から見てきました。
もう何年も住んでいる街なのに、思いがけない発見がある、歩いて楽しい街、京都。
京都は、本物に触れる喜び、古いものを大切にする心や新しいものを受け入れる寛容さを私に教えてくれました。海外生活の経験で日本の文化や京都の街の素晴らしさを改めて感じ、通訳ガイドになりたいと思いました。現在、京都ビジターズホストとして京都観光にかかわる仕事をさせていただけるようになり、もっとたくさんのことを学び、古都の魅力を世界の人々に伝えたいと思っています。大好きな街、京都へのささやかな恩返しです。