朝観光のススメ

2022年03月25日(金)

朝観光

京都市ビジターズホストがおススメする「朝桜スポット3選」

混雑を避けて朝からゆっくり桜を楽しむ
四季を通して様々な風景や歳時を楽しめる京都。なかでも桜が咲く時期は観光客が多く訪れる人気の季節です。日中の混雑を避けて、朝からゆっくり楽しめるおススメの桜スポットをご紹介します。


朝桜スポット その①吉田山 竹中稲荷神社参道の紅白のトンネル
まず初めにご紹介するのは、日本の代表的な桜であるソメイヨシノの穴場スポット、吉田山にある竹中稲荷神社です。参道から、桜と鳥居の見事な紅白を楽しめます。
平安時代の歌人・ 在原業平の住居が竹中稲荷神杜の傍にあったと伝えられています。業平と言えば、「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と桜を詠んだ和歌があります。この世にもし桜がなければ、春の心はのどかなのに、という心境は千年後の現代にも通じるところがあり、毎年春には時間が許す限り京都中の桜を観に行きたくなる私にも業平の気持ちが伝わってきます。


 

基本情報

竹中稲荷神社
【拝観時間】9:00~17:00
【所在地】京都市左京区吉田神楽岡町3−64
【アクセス】京阪電車「出町柳」駅下車、徒歩約15分 / 市バス「京大正門前」下車、徒歩約5分



朝桜スポット その② 静かな空間で愛でる桜 光明院 波心庭
続いての穴場スポットは、東福寺の塔頭である光明院の波心庭。重森三玲が作庭した庭園では、サツキやツツジの刈込によって雲紋が表現されています。高台にある茶亭蘿月(らげつ)庵の前には見事な桜が咲いています。上方に植えられているため、そよ風が吹くと庭全体に桜の花びらが舞って、まるで雪が降っているような趣があります。


基本情報

光明院
【拝観時間】7:00頃~日没ごろ
【所在地】京都市東山区本町15丁目809
【アクセス】JR/京阪電車「東福寺」駅下車、徒歩約10分 / 京阪電車「鳥羽街道」駅下車、徒歩約5分



朝桜スポット その③ 春爛漫の光景が広がる仁和寺
最後にご紹介したいのが、ソメイヨシノが散り始めると開花する仁和寺の御室桜。



江戸時代から遅咲きの桜を象徴する八重桜の名所として知られていますが、実際に訪れて咲いている花をひとつひとつ観察してみると、八重咲きになっているのはほんのわずかだということに気が付きます。歳月と共に元は八重咲だったお花が一重になってしまったそうです。



御室桜は背丈が比較的低いので、他の桜とはまた違った角度からお花見を楽しむことが出来ます。200本以上の御室桜が満開を迎えている様は壮観。青空の下、五重塔の背景に連なる雲と、空から流れ出てくるような御室桜の雲海が一体となっているような素晴らしい光景が楽しめます。また、木漏れ日の下で咲いているタンポポの黄色も、地面に散った御室桜の花びらとのコントラストが美しく、春らしい明るい雰囲気を添えてくれます。
御室桜の背丈が低い理由は、この地の粘土質の土壌のため根を深く伸ばせないことにあるようですが、そのような環境下でも春には必ず見事な花を咲かせる御室桜からは、たくましい生命力を感じさせられます。

〇イベント情報
御室 花まつり
【期間】2022年3月19日(土)~2022年5月8日(日)
【時間】8時30分~17時30分(受付は17時まで)
【特別入山料】大人500円(御所庭園との共通券1,100円)高校生以下 無料
※詳しくはこちら
 

基本情報

仁和寺
【拝観時間】9:00~17:00(受付終了16:30)
【所在地】京都市右京区御室大内33
【アクセス】京福電車「御室仁和寺」下車、徒歩約3分 / 市バス「御室仁和寺」下車すぐ


日中は混雑する人気スポットも、朝早くなら比較的すいていてゆっくりと過ごすことができます。
今年の春は混雑を避けて、朝のすがすがしい雰囲気の中で桜を楽しんでみてはいかがでしょうか。
 

ライター紹介

田中 功一(たなか こういち)
京都市ビジターズホスト、全国通訳案内士(英語)。
写真だけでは伝えきれない京都の魅力をご紹介出来れば幸いです。
写真撮影:筆者
Instagram:@koichi_kyoto_tour_guide