朝観光のススメ

2021年12月23日(木)

朝観光

京都市ビジターズホストがおススメする 「長谷川等伯と堂本印象の絵画で彩られる智積院早朝特別拝観」

お寺でアートな朝活を。
レオナルドダビンチの「最後の晩餐」、ミケランジェロの「天地創造」「最後の審判」、いずれも時の権力者たちの要請をうけて、天才たちが生み出した渾身の障壁画です。
日本にも時の権力者、豊臣秀吉の命をうけて、ある天才が生み出した国宝の障壁画があります。その画が京都に400年以上の時を経て残っているのをご存知でしたか?


その天才画家とは!?
その天才とは長谷川等伯。安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍した絵師です。
京都東山にある智積院では、彼およびその一門が手掛けた数々の障壁画が大切に収められています。
2023年には建物のリニューアルが予定されており、新しい展示収納庫ではガラス越しの展示になる見込みのため、直接見ることができるのはあとわずか。
さらに来年には博物館への貸し出し予定もあるため、この冬がチャンスです。
この長谷川等伯の傑作が生まれ、智積院に伝わり、現在に至るまでのストーリーなどの貴重なお話を聞きながら境内を拝観できるのが、今回おすすめする早朝特別拝観です。





智積院早朝特別拝観
通常9時開門の智積院ですが、今回は開門前の朝8時から特別に拝観できます。
開始5分前に宿坊・智積院会館ロビーに集合。開門前の静かで厳かな空気が漂う境内を、僧侶の方のご案内で「大書院」「講堂」「名勝庭園」「唐門」、そして通常非公開の「宸殿」の順に巡ります。
長谷川等伯親子の黄金に輝く「桜図」「楓図」の複製をバックに、“利休好みの庭”と伝わる素晴らしい名勝庭園を眺める時間はまさに清々しい癒しの時間。






特別拝観でのみ入れる宸殿で堂本印象画伯の襖絵
「宸殿」は賓客を迎える建物で、違い棚に収められている長谷川等伯が描いた国宝「松に黄蜀葵及び菊図」や、京都画壇の巨匠・堂本印象が手掛けた「婦女喫茶図」をはじめとする数々の襖絵が間近で見られます。
明治24年(1891年)に京都で生まれた堂本印象画伯は、日本画、仏教画、風俗画、風景画、抽象画と幅広くエネルギッシュに活動しました。
特に金色に豊かな色彩で描かれた昭和33年(1958年)作の「婦女喫茶図」「松桜柳の図」は今見てもモダンで斬新。四角い松の形が私のお気に入りです。




才能あふれる等伯の息子作の国宝「桜図」
最後に訪れた収蔵庫では、国宝に指定されている「桜図」「楓図」をはじめとする、長谷川等伯一門による桃山時代の数々の障壁画をたっぷり堪能できます。
中でも、等伯の息子・久蔵作の「桜図」は、金箔の絢爛豪華な色彩を背景に花びら一枚一枚まで丁寧に描かれた白い桜が印象的。
さらに特別に電気を消して見ると、浮かび上がる白い花々は幻想的で、一瞬、安土桃山時代にタイムスリップしたようでした。




拝観終了後は智積院会館に戻っての朝食。やさしい京都の味の三段重ねのお食事に抹茶とお菓子までついて、ほっこりと心もお腹も満たされました。
私が訪れた日は、他にも数グループ参加されていましたが、グループごとにテーブルを別れて食事をすることができるなど、感染対策もとられていたので、ゆったりとお食事をいただくことができました。





拝観後の各方面へのアクセスも良好
拝観はお食事の時間を含めて約2時間で、10時ごろお食事を終えた方から解散です。
朝からお寺を満喫したのち、さらに近隣の京都国立博物館や三十三間堂でアート三昧な1日を過ごすもよし。少し北に上がって、清水寺、八坂神社、祇園エリアで街歩きを楽しむもよし。早めに京都駅に向かい、お土産を買って帰るもよし。あなたも京都でアートからはじまる一日を過ごしてみませんか。

*国宝『紙本金地著色 松に草花図』は修復中

※詳細・お申込みはこちらから
 

内容

【期間】設定日はお申込みフォームにてご確認ください
【時間】各日8:00~10:00(所要約2時間)
 ※参加ご希望の2日前の10:00までにご予約下さい。
【お申込み】お申込みフォーム
【料金】お一人 5,000円
 ※事前クレジットカード決済。
【人数】各回 2~20名
【開催場所】智積院

 

基本情報

智積院
・JR「京都」駅から市バス206・208・100系統「東山七条」下車、徒歩約3分
・京阪電車「七条」駅下車、徒歩約10分

 

ライター紹介


吉田 美佳
京都生まれ、京都育ち、京都在住の京おんな。大好きな地元のおきにいりを世界中に紹介するべく、2017年より京都市ビジターズホストとして活動中。
お気に入りの場所は哲学の道。学生時代6年間毎日通った、青春の思い出の場所。