大文字

大文字
だいもんじ

「送り火」の代名詞ともいえる「大文字(だいもんじ)」ですが、東山三十六峰の「大文字山」という標高が466メートルもある山に点火され、京都市内の中心部から一番目につきやすく、また規模も大きいところから、最も有名です。五山の中では一番最初(午後8時)に点火されることもあって全国的に知られています。その規模ですが「大」の1画目(一文字)が約80メートル。第2画(北の流れ)が約160メートル。最後の第3画(南の流れ)が120メートル。

言い伝えによりますと、ふもとにあった浄土寺が火事で焼けた時、本尊の阿弥陀如来像が光を放ちながら上空に飛んで行ったその姿を、弘法大師が「大」という字で再現したとされています。

またほかにも室町時代に起源があるとする足利義政が亡き息子義尚の菩提を弔うために相国寺の僧、横川景三(おうせんけいさん)に命じたという説。そして江戸時代初期の「寛永の三筆」のひとり、近衛信尹(このえのぶただ)(三藐院=さんみゃくいん)説などがあります。「大文字」に限らず、送り火は民間で伝えられてきた行事であり、公式記録がほとんど残っていないため、数々の伝承が語り継がれてきたようです。

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