「送り火」って何?

「送り火」って何?
「おくりび」ってなに?

京都人ではない方からよく「大文字(だいもんじ)焼きって、いつですか? どこで見ることができるのですか?」ということを聞かれます。しかし、これは間違いで大文字は決して「山焼き」ではなく、ましてや今川焼のような「お菓子」でもなく、送り火ですので「京都五山送り火」といういい方が正解です。

「送り火」とはお盆の間、家にお迎えしていたご先祖の魂、京都では「お精霊(しょらい)さん」と呼びますがその「お精霊(しょらい)さん」を冥府に送り返すための灯明であり道しるべなのです。

夜間飛行で帰って来る時、それまで真っ暗だった上空から、窓の外を見ると、空港周辺の街の明かりが見えて、ほっとすることがありますね。あぁ帰ってきたな、と実感がわく時です。その逆の発想で、あの世にお帰りになる御先祖様方にあちらが冥界の方向ですよと導くための灯りとされています。海で例えると灯台ですね。

害虫の駆除や、草木の生育を考えた「山焼き」とは全く意味合いの違う「宗教的行事」であり、点火された「送り火」に対して手を合わせる人が多いのもそのためです。

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