「徳川城使上洛列」&「江戸時代婦人列」

「徳川城使上洛列」&「江戸時代婦人列」

江戸時代の行列です。天皇のフォーマルメッセンジャーを「勅使」と呼ぶのに対し、将軍の使いは「徳川城使」と呼ばれました。江戸の徳川幕府は、朝廷の大礼や年始など節目の際には、将軍の使いである「城使」を上洛させ、皇室に対して礼を尽くしていました。「城使」には親藩大名あるいは気心の知れた譜代大名が選ばれました。行列の先頭を行く槍持、傘持、鋏箱の「ヒーサー」の掛け声ではじまる交換のパフォーマンスは見ものです。

また、徳川城使列の後を行く江戸時代婦人列も、最初のヒロインたちの登場とあって人気です。特に大河ドラマでも脚光を浴びた「和宮(かずのみや)」は、江戸への輿入れの行列を再現しています。また花嫁姿の「大田垣蓮月(おおたがきれんげつ)」、島原の前身で六条三筋町で有名であった「吉野太夫(よしのだゆう)」、歌舞伎踊の祖といわれる旅芸人姿の「出雲の阿国(いずものおくに)」など、江戸時代の美の競演ともいえる行列です。また珍しいところでは、江戸時代中期の南画家「池大雅(いけたいが)」の妻「池玉蘭(いけのぎょくらん)」やその母で八坂神社近くに茶屋を営んでいた「梶(かじ)」も登場しています。

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