「ちまき」の由来

「ちまき」の由来
「ちまき」のゆらい

祇園祭の縁起物の一つに「ちまき」があります。しかし、これは食用の「ちまき」ではなく、護符(お守り札)としての「ちまき」です。伝説では、はるか昔「素戔嗚命(すさのおのみこと)」が南の国を旅していたころ、夜になり一夜の宿と食事を求めて、金持ちの巨旦将来(こたんしょうらい)の家に願ったところ、見知らぬ旅人に出すものはないと追い返され、その弟である蘇民将来の所に行くと、誠心誠意勧待してくれました。そこで、御礼に「素戔嗚命」は、「蘇民将来の子孫成り」と書いた紙を張ったちまきを渡し、もしこの村に疫病がまん延したら、この御札を玄関に張っていなさい。そうすればあなたの家のものは誰ひとり病にかからない、といったそうです。やがて流行病が村中にまん延し、兄の巨旦将来の一族は病にかかりましたが、弟の蘇民将来の一族は誰ひとり病にかからなかったという話です。

笹の葉は悪竜など邪悪なものが嫌うものであり、中国の詩人屈原は、汨羅(べきら)という池に入水自殺をした後、供養のために村人たちが、池に入れてくれる米が、悪竜に食べられないよう、魔ものが嫌う笹の葉に包んでくれるよう、霊となってリクエストしたという話です。これが食用としての粽のルーツと伝えられます。

つまり笹の葉には、邪悪なものを祓う力があると、中国や日本では信じられており、実際笹の葉には菌の働きを抑制する力があることも科学的に認められています。

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