お稚児さん

お稚児さん
おちごさん

「稚児(ちご)」といえば山鉾巡行の先頭「長刀(なぎなた)鉾」に乗る稚児が有名ですが、ほかにも「綾傘(あやがさ)鉾」の稚児、「久世駒形(くぜのこまがた)稚児」がいます。それぞれ、八坂神社にお参りする日は決まっており、綾傘鉾の稚児は7日。長刀鉾の稚児は13日午前。久世駒形稚児は13日午後です。長刀鉾の稚児は正式な社参とは別に7月1日に町内の役人とお千度にお参りします。祇園祭の初日にもあたりますので、こちらの方がよく知られているかも知れません。

昔は鉾の上には必ず神様の使いであるお稚児さんが乗って、祭りの安全を祈願してくれていたのですが、現在では鉾に乗る「生き稚児」を呼ばれる本物のお稚児さんは長刀鉾だけになりました。ほかの鉾には「生き稚児」の代わりにお人形のお稚児さんが乗っています。

「稚児」とは神様の使いであり、13日の社参では長刀鉾の稚児は「五位少将(ごいのしょうしょう)」という位に匹敵するばかりの華麗な衣裳と行列で臨み、これをちまたでは「お位もらい」と呼びます。また17日の山鉾巡行が終わりますと、巡行の無事を神様に報告し、「お位返し」をして普通の男の子に戻るのです。任期は約1カ月半。小学校高学年の男の子が2人の禿(かむろ)とともに選ばれます。

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