今昔物語に登場する「葵祭」

今昔物語に登場する「葵祭」
こんじゃくものがたりにとうじょうする「あおいまつり」

今昔物語の中での話です。「坂田金時(さかたのきんとき)」が話の主人公です。そうあの金太郎さんです。伝説では、足柄山で1人の老女が鬼と契って生まれた子どもと言われていますが、幼いころから熊と相撲をしても負けなかったという話は、昔話で聞き覚えがあると思います。後にその怪力を見込まれて都に上り、武勇の誉れの高かった源頼光(よりみつ・らいこう)の家臣となり、そこでも頭角を表し、頼光四天王のひとりとして知られるようになりました。大江山に鬼退治に行ったときも、選抜メンバーとして参加し、酒呑童子(しゅてんどうじ)の首をあげて凱旋しています。

その金太郎さんこと坂田金時が賀茂祭の日、行列を見学しようと思い立ち、無粋な武者姿で歩いて行くのも気が引けたのか、牛車をチャーターして乗りました。おそらく初めての体験だったのでしょう。余りの乗り心地の悪さに車酔いしてしまい、挙句の果てに体力を使い果たしたのか、車の中でグーグーと寝てしまいました。その間に行列は通り過ぎてしまったという話です。鬼や熊を相手にするほどの剛の者でも、牛車の車酔いには勝てなかったようです。

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