「斎王代」のファッション&乗りもの。

「斎王代」のファッション&乗りもの。

「垂髪(おすべらかし)」という髪型、頭に立てる「心葉(こころば)」、それに垂らす白い「日蔭(ひかげ)の鬘(かづら)」。手に持つ「檜扇(ひおうぎ)」などはほかの女官たちと共通するところがありますが「五衣(いつつぎぬ)・裳(も)・唐衣(からぎぬ)」を重ねて着る、いわゆる「十二単」という豪華な衣装と「お歯黒」は斎王代にしか許されていません。しかし最近ではこのお歯黒を斎王代がしない年もあるそうです。

また、現在「路頭の儀」の行列で「斎王代」の乗っているのは輿です。「腰輿」と呼ばれています。読み方は「たごし」「ようよ」などほかにもありますが、葵祭関係者は「およよ」と呼びます。持ち手が腰の辺りの位置で持つことがその名の由来で、肩に担ぐタイプは肩輿(けんよ)といいます。「腰輿」も実際には肩で担いでいることが多いようです。女人列の最後の方には、斎王の牛車が今も行列に加わっていますが、中は誰も乗っていません。昔の斎王がここに乗っていたということがこれでわかります。人前で顔を見せることは、高貴な女性にとって慎むべきことだったのでしょう。

現在はオープンカーのごとく、斎王代は360度、見物人から常に眺められています。

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