明治時代(1868~1912)2

明治時代(1868~1912)2
めいじじだい(1868~1912)2

●困難を極めた琵琶湖疏水工事
琵琶湖疏水は、琵琶湖から京都の蹴上まで運河を通し、舟を航行させて物資の交流をはかるものだった。設計者は、当時21歳であった工学士田辺朔郎。大学の卒業論文が設計案であった。この日本最大の土木工事は困難を極めた。トンネル工事はもちろん蹴上から京都市動物園までは標高差が激しく、舟運には利用できなかったが、インクライン(軌道)を敷いて、台車の上に舟を乗せて太いロープで上下させた。今は散策路にもなっているインクライン周辺だが、いわゆる舟、山に登るという珍しいものであったという。明治18年に着工、同23年に完成。同24年には、この水流を利用した日本最初の水力発電所が蹴上に建設され、その電力で市街電車も日本で最初に走った。現在は京都市民の飲料水の安定供給に重要な役割を果たしている。

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