室町時代<前期>(1392~1467)1
室町時代<前期>(1392~1467)1
むろまちじだいぜんき(1392~1467)1
●足利将軍の偉容を誇る金閣寺
室町幕府の礎となり、幕権を強化したのは、足利三代将軍足利義満であった。義満は室町に「花の御所」(応仁の乱で焼亡)を営んで政治の中心とした。さらに金閣寺は、義満が明貿易の使者を迎え入れるため造営したとも言われているが、幕府の権勢の一端を示す、文字通り金色の光を放つ存在であった。金閣寺という通称が有名だが、正式名は鹿苑寺。義満が西園寺家の別荘跡に築いた北山殿を、義満没後に禅寺に改めたもので、金閣はその舎利殿である。鏡湖池に臨む三層の楼閣は、初層(一階)を法水院といい、藤原時代の寝殿造り風、次層の潮音洞は鎌倉時代武家造りの仏間風。こけら葺の屋根に金銅製の鳳凰を置く頂層は究竟頂と呼ばれ、禅風の趣となっている。金箔は次層と頂層だけに張られ、陽光を受けて輝く朝が一番美しいとされる。