室町時代後期・戦国時代(1467~1573)2

室町時代後期・戦国時代(1467~1573)2
むろまちじだいこうき・せんごくじだい(1467~1573)2

●日野富子のゆかりの地
富子の実家日野家は、代々将軍家の正室を出す公家の名門であった。伏見区日野は、その日野家ゆかりの地。日野法界寺は、日野氏の別荘を寺に改めたもので、日野薬師、乳薬師と呼ばれ、安産、授乳祈願の人々の信仰が厚い。本堂阿彌陀堂も藤原時代の様式を伝えて国宝。人形寺として知られる宝鏡寺には日野富子像が残る。「隠れなき美婦人」といわれた富子だが、尼僧姿の小さな木像は、その華やかな生涯をしのぶにはあまりにもつつましやか。晩年は、息子の義尚にも先立たれ、あまり幸福ではなかったといわれる。宝鏡寺は尼門跡寺院で、歴代の皇女が住持となったため、百(ど)々(ど)御所とも呼ばれた。光格天皇遺愛の人形や古代の遊戯具、雛祭のたびに御所から贈られた人形など数百点を保存。春秋2回人形展が開催され、一般公開される。境内には、古い人形を供養してもらえる人形塚がある。

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