平安時代<前期>(794~1068)5

平安時代<前期>(794~1068)5
へいあんじだい<ぜんき>(794~1068)5

●京に花開いた宮廷文化
王朝の文化を花開かせ、雅びな文化を作りだしたのは、男たちではなく、内裏の女たちであった。平安の才女と呼ばれた紫式部、清少納言、和泉式部、小野小町…。とくに貴族政治の頂点ともいえる藤原道長の時代、内裏に宮仕えしていた女房であった紫式部の『源氏物語』、清少納言の『枕草子』などは、貴族社会の優雅な文化と、そこに育ったもののあわれという洗練された繊細な感覚で、女流文学という世界を開花させたのである。平安の都は、美しくも若々しく、新しい勢いに満ちていた。女たちの文化をはぐくむには、理想的な舞台であった。

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