平安時代<前期>(794~1068)4

平安時代<前期>(794~1068)4
へいあんじだい<ぜんき>(794~1068)4

●東寺栄えて、西寺はほろぶ
羅城門の東西に建造された東寺と西寺は、平安京造営に際し、国家鎮護のために造られた官寺である。京都のシンボルとして親しまれている日本最古の五重塔や毎月21日に弘法市などが開かれることで知られる東寺は、弘仁14(823)年、嵯峨天皇によって空海に下賜され、真言密教の道場として発展した。しかし守敏に下賜された西寺は、天福元(1233)年に焼失して以来再建されることはなく、礎石を残すのみとなっている。空海と並び称される最澄は、比叡山に延暦寺を建立し、天台宗は最澄の没後、十世紀後半に隆盛を極めていく。そして、唐への留学を経験した両宗祖やその弟子、あるいは唐からの使者たちによってもたらされた唐風文化は、仏教から絵画、彫刻、書、工芸など現在まで続くさまざまな日本独自の芸術文化の萌芽となっていった。

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