江戸時代(1603~1837)4
江戸時代(1603~1837)4
えどじだい(1603~1837)4
●徳川時代の京都を描いた『羈旅漫録』
江戸の文人、滝沢馬琴が京に旅した印象を『羈旅漫録』に次のように書いた有名な一節がある。「京のよきもの三つ。女子、賀茂川の水、寺社。あしきもの三つ。人気の吝嗇、料理、舟便。たしなきもの五つ。魚類、物もらひ、よきせんじ茶、よきたばこ、実ある妓女」。花の都も女子と寺社が支えるばかりという感想だが、いよいよ京都が観光地の対象となっていく時代である。すでに、桂離宮や修学院離宮など日本を代表するような建築と庭園なども作られていた。全国から文人墨客が集い、政治や経済から離されたがゆえに、独自の文化を育む都市としてその位置を保っていく。