端午の節句

端午の節句
たんごのせっく

端午(たんご)の節句に「粽(ちまき)」と「柏餅(かしわもち)」は欠かせませんね。平安時代の『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』という漢和辞書には、「粽」の作り方とともに、5月5日にこれをくらうと紹介されていますから、古い風習であることが分かります。米粉と砂糖を溶いて蒸したしんこ生地や葛粉を使った生地を円錐形(えんすいけい)にし、笹(ささ)の葉とい草で巻いて蒸し上げます。「粽」は邪気をはらうとされます。もう一つの「柏餅」は、上代から柏の葉が食器がわりに使われた名残から生まれたといいます。柏はまた、秋の枯れ葉が春に新芽が出るのを見届けてから落葉するというので、子孫繁栄に通ずる縁起のいい木とされます。しんこ生地でこし餡をつつみ柏の葉で巻いたものが一般的ですが、白味噌餡(しろみそあん)を紅で染めたしんこでつつみ、区別するため葉を裏返して巻いたり、粒餡(つぶあん)を蓬(よもぎ)入り餅でつつんだりもします。端午の節句ころともなると、京菓子では杜若(かきつばた)の花を写して、外郎(ういろう)で白餡をつつんだ見事な造形の上生菓子「唐衣(からころも)」もつくられます。

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