うどん
うどん
うどん
京都のうどん屋には、「けいらん」、「のっぺい」、「たぬき」といった独特のお品書きが並びます。これらはすべてあんかけスタイルのうどんです。けいらんはあんかけの「卵とじ」。のっぺいはいろいろな具がのったあんかけの「しっぽく」。関東でたぬきといえば、天かすがつきますが、京都の場合は刻んだ油揚げがあんでとじられているといった具合。このあんかけには必ずと言っていいほど、おろししょうがが付きもの。だしの効いたあつあつのあんとともに食べれば、底冷えのする寒い冬も身体の芯から温まります。全国各地においしいうどんがありますが、京都の場合、いわば麺よりだしを食べると言ってもいいかもしれません。そのためだしとよく絡み合うやわらかな麺が主流です。添えられるのは決まって青々とした九条ねぎ。京女の柳腰を思わせるようなやわらかな口当たりの京都のうどんは、寒い冬にこそ味わってもらいたい庶民の味です。