すぐき

すぐき
すぐき

「すぐき」は、京都市北区にある上賀茂地域で昔から作られてきたお漬物。この上賀茂という地名から推測できるように、もともと上賀茂神社(賀茂別雷神社)の社家が300年ほど前にかぶらの一種であるすぐきの栽培をはじめたといういわれがあり、すぐきは昔から、伝統的に農家が作り続けてきました。畑で育てたすぐきを収穫後すぐに漬物に加工するのです。作り方も極めてシンプル。採れたてのすぐきと塩だけで漬けこみ、自然の乳酸発酵による酸味とほのかな甘風味を味わいます。独特の風味味わいだけでなく、乳酸菌が豊富に含まれる食材として、最近では健康食品としても注目されていますが、一般家庭にも普及したのは明治初期になってからだそうです。夏に種をまき、収穫が始まる晩秋から漬け込みます。樽の上に太い棒をわたし、その先に石をさげて重石とする天びん型の特殊な漬け込み方法は昔ながらのもの。今では仕込みに約10日、温度管理された40度の室で1週間ほど発酵させて作るため冬の味覚となっていますが、天然発酵のみで時間をかけて作っていた江戸時代には夏の贈答品にされていました。ちなみに、そのまま生で食べると、少々水分が少ないカブのような感じでどこか物足りない味がします。やっぱり、すぐきはお漬物にして味わうのがいちばん。先人の知恵です。

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