しば漬
しば漬
しばづけ
大原女(おはらめ)で知られる大原の名物。すぐきや千枚漬と並んで「京都三大漬物」の一つと称されています。さわやかなシソの香りに、ついつい白いご飯が進んでしまうおいしさですが、このしば漬の由来には、あの平清盛の娘と大原の里人とのエピソードが秘められています。平安時代末期、壇ノ浦の戦いに敗れた平清盛には生き残った娘がいました。高倉天皇の中宮であった建礼門院です。平家滅亡後、建礼門院は大原の尼寺の寂光院に隠棲することになるのです。天皇の中宮から一転、寺でさみしい暮らしを送る建礼門院を、地元の大原の人々は自家製の漬物を献上しては慰めたといいます。その漬物が、ナス、キュウリ、ミョウガ、シソの葉、青唐辛子などを塩漬けにして乳酸発酵させて作るしば漬として今に伝わっています。「紫葉漬」と命名したのは建礼門院だそうです。シソで染まった美しい赤紫色と、建礼門院のストーリーと相まって、どことなく女性らしさをイメージさせる漬物です。