京麩

京麩
きょうふ

生麩の主な原料は、小麦粉と餅粉です。小麦粉から取り出したグルテンに餅粉を混ぜることで、弾力のある舌触りも滑らかな生麩が生まれるのです。そして成分のほぼ7割が水分といわれるように、みずみずしい食感の決め手となるのが水です。京都の麩は、伝統の技と良質な地下水によって支えられているといっても過言ではありません。古く中国から伝わったといわれます。日本では鎌倉時代に禅宗の精進料理に取り入れられ、ついで天正年間(1573-92)から茶の湯の世界で食べられるようになりました。江戸時代には焼麩が生まれて菓子としても用いられ、種類も多種多様になりますが、一般的には寺院で食べられることが多かったようです。きっと肉や魚の代わりとしてたんぱく質を補ったのでしょう。京都では、料理のほかにも、おせんべいや麩まんじゅうなど、お菓子としても親しまれています。

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