有職料理

有職料理
 

日本最古の料理様式は平安時代の大饗料理といわれています。平安貴族の酒宴料理とも呼べるものですが、皿数が偶数であることや、中国風の揚げ菓子、8種唐菓子が登場するなど、中国文化の影響を色濃く受けています。有職料理はそういう大饗料理の流れをくんだ公家風の料理のことで、朝廷・公家・武家の「有職故実」にちなんだ料理。一般的には、武士の力が強まる室町時代に決められた公武一体の礼式にのっとって作られた料理を指しています。いにしえの大饗料理だけでなく、武家の正式料理とされる本膳料理の影響も受けつつ、独自の式典料理として発展していったのです。なかでも、京都の生間家は平安期に始まった宮廷料理方で、室町期には四条流・大草流・進士流とともに発展し、江戸期まで栄えました。長らく御所をかかえてきた京都には、今でも宮中を中心に食されてきた有職料理や生間流式包丁の伝統を受け継ぐ料理店があります。

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