精進料理
精進料理
しょうじんりょうり
精進料理のルーツは中国にあります。日本で本格的に料理のスタイルとして定着するのは鎌倉期以降のこと。栄西や道元など、中国に渡って禅宗を学んだ僧侶たちの日中交流によって、日本の精進料理の普及が促されたといわれています。心をこめて禅行を修めるため肉食せず菜食を是とした為、禅宗寺院を中心に発達していきました。この精進料理は、穀物の粉を利用した中国の粉食の影響を大きく受けているのが特徴です。とくに小麦タンパクのグルテンを使う麩は代表的な食材です。お寺や老舗精進料理店では朱膳朱椀で供されるのが定番です。また、精進料理は寺の中だけに留まらず、一般の人々の中にも普及していきました。その食材や油を使う調理法は、その後、懐石料理をはじめとする日本料理にも大きな影響を与えたといわれています。いまや京名物となっている豆腐、湯葉、麩などは、この精進料理とともにはぐくまれた食材です。