京料理
京料理
きょうりょうり
京都は「都」として栄えた歴史が長いため、さまざまな文化がもたらされてきた土地です。料理にしても宮中の饗応に供された有職料理、禅宗とともに中国から伝わった精進料理、茶の湯とともに発展した懐石料理があり、さらに庶民の料理があります。そもそも料理屋は江戸時代に発達しましたが、そのころは料理と遊興がセットになっているのが通常でした。そこに芸術という観点を持ち込み、純粋に料理を楽しむ発想をもたらしたのが、京都出身の北大路魯山人(ろさんじん)といわれます。さらに魯山人の思想を取り入れ、イクラや牛肉を使うなど、新たな日本料理を模索したのが湯木貞一でした。昭和初期には料理専門雑誌が登場するなど、料理文化に対する関心が高まりをみせましたが、太平洋戦争によって中断されてしまいます。そうした背景のもとにはぐくまれてきたのが、現在につながる京料理の世界。薄目の味付けで、器・盛りつけも美しく上品な、目と口で食べる京料理。新鮮な生魚などが手に入りにくいことから鱧料理が極められたように、料理技術で粋を凝らしていくのも特徴の一つ。京都の地名を冠した数々の京野菜もよく用いられます。京都は日本料理店の数も多く、料理を学ぶ場としてもふさわしい所です。