京都の代表的庭園(枯山水 編)

京都の代表的庭園(枯山水 編)
きょうとのだいひょうてきていえん(かれさんすい へん)

枯山水(かれさんすい)の表現には山水を縮めた具体的なタイプと、禅的な何かを表現している抽象的なタイプとに分かれるように思います。前者の顕著な例が「大仙院書院」庭園です。滝石組(たきいわぐみ)から水が流れおち、川となって、大海に注ぐという自然を濃縮還元した教科書のような枯山水です。このような例はほかにも退蔵院東庭(元信の庭)や酬恩庵北庭にも見られます。後者の例として最も有名な庭園は龍安寺方丈の枯山水でしょう。15個の石を配置した「虎の子渡し」とも呼ばれる世界的にも有名な庭園ですが、実はこの庭園を世界に知らしめたのは英国のエリザベス女王だったのです。現在、国の内外を問わず多くの拝観客が訪れ、白砂とわずかな苔に浮かぶ石の配置の妙を、それぞれの思考回路で考えています。決まった答えはないと言われていますが、作庭者の意図をあれこれと探求することは楽しいものです。このような抽象的な表現をした庭園はほかに「南禅寺方丈庭園」、「東海庵書院庭園」、「大徳寺方丈庭園」などがあります。また具体的な故事や景色を表現した枯山水としては、「虎渓の庭」を著した「本願寺書院庭園」、「近江八景」を著した「孤篷庵(こほうあん)庭園」などがあります。

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