滝石組
滝石組
たきいわぐみ
日本庭園の特徴は「見たての妙」ともいえるでしょう。さまざまな「見たて」が庭園のそこかしこに垣間見えます。中でも一番象徴的な「見たて」は「滝石組(たきいわぐみ)」ではないでしょうか。文字通り滝を表現した石組です。ひと口に「滝石組」といいましても実は多くの種類があり、一番分りやすいのは「三段落ち」の「龍門瀑(りゅうもんばく)」でしょう。滝がジグザグ状に3段階に流れ落ちているのですが、これにはモデルがありまして、中国の黄河の中流域にある「竜門」の滝がそうであるとされています。伝説によりますと、その3段の龍門の滝を無数の鯉が滝登りに挑戦し、最後まで登りきった鯉だけが竜になるという伝説です。ここから「登竜門」という故事が生まれ、大きな関門や試験などを意味するようになりました。また日本でもおなじみの「鯉のぼり」のルーツもやはりこの「竜門」にあるとされています。3段の巨大な滝を登るように出世をしてほしい、元気に活躍してほしいという、親から子への願いを込めて子どもの日に泳がせるのです。となりますと、吹き流しは竜門の滝の流れを表していることになりますね。