絵馬所

絵馬所
えましょ

「絵馬所」とは文字通り、大きな絵馬が奉納されている建物です。そもそも「絵馬」とは、もともと神社に本当の馬を奉納する風習が、駒形の木の板をもって代用することになり、白木のままよりは、絵を描いて願掛けをしようとしたものだとされています。現在では神社に用意された小さな絵馬に願い事を書いて奉納するのが習わしになっていますね。昔は大きな祭礼のときには朝廷から神社に対して、本当の馬を献上していたことも実際あったようで、貴船神社では雨止み祈願のときは白い馬を、雨乞い祈願のときには黒い馬を奉納したそうです。大きな神社では奉納される絵馬の数も規模も大きく、大きな絵馬所の屋根裏には所狭しと大きな古い絵馬が掛けられており、その実態は神社の方々でも全てを把握されていないそうです。中には貴重な文化財が眠っていることもあり、北野天満宮の絵馬所では、桃山時代に長谷川等伯(とうはく)が描いた絵馬が奉納されていることがわかり、重要文化財に指定され、現在は宝物殿に移されて保管されています。

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