破風

破風
はふ

「破風(はふ)」とは、屋根の切れ目の部分で、屋根に付属する部分は「妻」と呼びますが、風があたる枠の部分を「破風」といいます。ですから屋根の形状と連動して「切妻(きりつま)破風」「入母屋(いりもや)破風」もありますが、よく耳にするのは「唐(から)破風」です。その名前から中国から伝わったデザインと思いきや、そうではなく実は国産のデザインなのです。「唐」はもちろん中国を指し、昔は中国製品を客人に見せて、その歓迎ぶりを表しました。一昔前、世のお父さんが客人が来た時、舶来物のウィスキーを出して、歓待したようなものですね。独特の曲線は、ホスピタリティーの表れです。またお城の天守閣などでは、「千鳥破風」をよく見かけます。千鳥が飛ぶシルエットのような形で、切妻破風の小型版ともいえるでしょう。京都で、これら破風の競演ともいえる建造物があります。本願寺の飛雲閣まさしく飛ぶ雲のように、自由自在にその姿を変えている様子は、破風と屋根の絶妙なハーモニーです。

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