とう

「塔」とは「卒塔婆(そとば)」の略です。「卒塔婆」とはサンスクリット語の「ストゥーパ」を漢字に訳した単語であり、その意味は「仏舎利塔(ぶっしゃりとう)=仏の舎利を祀るところ」です。「仏舎利」とは「お釈迦様の骨」のことで、「塔」とはお釈迦様の「墓」を指すことになります。お釈迦様が亡くなったころのインドでは、まだ仏像というものが無かったので、お釈迦さんの足跡を型取ったもの(仏足石)や「仏舎利」をお釈迦様と慕って、信仰の対象としていたのです。日本でも仏教が伝わった初期のころには、この塔を寺院の伽藍(がらん)の中心に据える配置でしたが、やはりより具体的な仏像の方が有難みがあると考えられたのでしょうか? しだいに中心には金堂が置かれるようになり、塔は次第に境内の隅に追いやられるようになりました。これは伽藍配置の歴史を見ますとよく解ります。

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