三門

三門
さんもん

よく「三門(さんもん)」と「山門」の違いは? という質問を受けます。「山門」というのはお寺にある門すべてを指します。お寺のことをお山といいますからね。もともとは世間から離れて、山に建てられることが多かったからでしょう。そして「三門」というのは本山級の禅宗寺院に見られる独特の巨大な門のことで、「三」は「空」「無相」「無作」という悟りに至る三つの境地のことを指します。また三門の構造ですが、形式上は「二重門」といいます。ですから2階建てです。1階と2階の間に屋根が無ければ「楼門」と呼びます。「楼」というのは2階建て以上の高層建築を指す漢字です。そして2階の内部ですが、これが実に別世界のように素晴しい。外から見ているだけでは想像のつかない空間です。仏像や羅漢像などが安置され、天井や柱や壁には仏国浄土の様子が描かれているのです! 龍が本尊を守護し、天女が宙を舞い、上半身が人間で下半身が鳥という「迦陵頻伽(かりょうびんが)」という生き物も描かれています。麒麟(きりん)やマカラなど想像上の動物も数多く描かれています。」でも上って行くのがひと苦労。階段はかなり急です。

「京の用語集」一覧に戻る