鳥居形

鳥居形

仏教的色彩の強い「送り火」の行事ですが、「鳥居形」だけはどうも神道的な意味合いが強いように思ってしまいます。ですが、昔は仏教と神道をそんなに明確に区別してはいませんでした。

お寺の中に鎮守社があったり、神社の中に神宮寺があったり、明治維新までは、神様と仏様は同居していたのです。

ですから昔の嵯峨の人たちが、愛宕神社への信仰心がより一層強かったことを示すかのように近くの愛宕神社一の鳥居に因んで始めたと考えられます。ちなみに愛宕神社の神様の本地仏(神様の正体は実は仏様であるとする考え方)は「地蔵菩薩」で、冥界でも大いに迷えるものを救ってくださる有難い菩薩ですから、庶民の信仰心も強かったことでしょう。

また鳥居には結界としての意味合いもありますので、この世からあの世への出入り口として昔の人たちは考えたのかも知れません。

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