祇園祭

祇園祭
ぎおんまつり

祇園祭は京都三大祭りの一つ。7月1日の吉符入(きっぷい)りから、ほぼ1カ月の間、八坂神社や市内の氏子町でさまざまな行事が執り行われます。祭りと菓子のかかわりも本当に深いものがありますね。長刀鉾(なぎなたぼこ)に乗る稚児(ちご)と禿(かむろ)が八坂神社に社参した後、南楼門前の茶屋で振る舞われるのが、串(くし)に刺した餅に甘白味噌(あましろみそ)を塗った「稚児餅」。役行者山(えんのぎょうじゃやま)に供えられ、宵山の一日だけ店で売られるのが「行者餅」。これは小麦粉と砂糖の生地を薄くのばして焼き、粉山椒(こなさんしょう)を混ぜた白味噌を塗りつけた餅をのせて折りたたみます。行者の篠懸(すずかけ)をたたんだ形といい、無病息災を願う菓子です。菊水鉾(きくすいぼこ)に献上されて、町会所に設けられる茶席の菓子に使われるのが「したたり」。寒天、黒砂糖、粗目(ざらめ)、水飴を溶かして煮詰め、棹(さお)に流し固めた琥珀羹(こはくかん)です。菊水鉾は名水・菊水の井戸と、菊からしたたる露を飲み長寿を保ったという菊慈童(きくじどう)にちなんでいて、菓子も菊の露のしたたりに由来します。

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