親子丼(かしわ)

親子丼(かしわ)
おやこどん(かしわ)

京都では鳥肉を「かしわ」と呼びます。庶民の食卓には欠かせない食材で、今でも専門店がたくさんあるのです。鳥肉料理は西日本を中心に発達した経緯がありますが、とりわけ京都は海から遠かったせいもあり、気軽に飼育できる鶏は便利なタンパク源として好まれてきたのでしょう。例えば、愛宕山のふもとにある水尾地区は現在、名産の柚子(ゆず)と鳥鍋料理のもてなしで人気がありますが、昔は自宅で飼っていた鳥を料理に使ったといいます。幕末あたりには、木屋町通周辺に鳥料理店が軒を連ねたようで、あの幕末の志士、坂本龍馬も鳥(軍鶏)の水炊きを食べたという話が伝わります。そんな京都の鳥料理のエッセンスを味わうには親子丼がおすすめ。もともとのルーツは関東にあるようですが、ピリリとした山椒をふりかけて食べる京都の親子丼も格別です。歴史に彩られた店から近所のうどん屋まで、バリエーション豊かな親子丼が楽しめるのも魅力ですね。

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