京湯葉

京湯葉
きょうゆば

豆腐や麩などと同じように、もとは中国が起源。禅宗の僧侶によって伝えられたといわれています。寺院が多い京都では、精進料理に使うため、古くから作られ、中世以来の京名物のひとつです。湯葉の製法は、大豆を挽いて絞った豆乳を湯せんして上面に生じた薄皮を細い竹で引き上げるという単純なものですが、意外と手間がかかる職人技です。なかでも興味深いのは、湯せんの経過時間によって湯葉の厚さや種類が違ってくるところ。職人は微妙なタイミングを見計らって、作り分けていくのです。朝一番に作る「汲み上げ湯葉」に「刺身湯葉」、「引き上げ湯葉」といった具合で、さらに煮詰まると「甘湯葉」や色の濃い「おこげ」になり、乾燥させたものは「干し湯葉」といいます。最初にできる湯葉は、豆乳の水分をたっぷり含んでいるため、大豆のやわらかな香りを味わうためにも、そのまましょうゆをたらして食べるのが美味。炊いたり、赤だしに入れたりするなど、それぞれの種類にふさわしい食べ方で味わうのが、湯葉をおいしく味わうコツです。タンパク質も豊富に含まれています。

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