夜中3時まで過ごせる木屋町の深夜喫茶~深夜喫茶/ホール 多聞~

2025年02月28日(金)

  • 市内中心部

夜中3時まで過ごせる木屋町の深夜喫茶~深夜喫茶/ホール 多聞~

目次

    木屋町の地下に潜む深夜喫茶で、至福のスイーツタイム

    神社仏閣や、絶景、お目当てのランチ&カフェなど、日が暮れるまで京都めぐりをめいっぱい楽しんだあとは、旅の第二幕となる夜時間のはじまりです。夜ごはんを食べてもよし、スイーツを楽しむのもよし、ひとりでも居心地がよく駅やバス停からも近い、夜喫茶をご案内しましょう。第2回目でご紹介するのは、「深夜喫茶/ホール 多聞」。深夜3時まで過ごせる、繁華街のとっておきの隠れ家です。

     
      
    京の都と江戸を結ぶ東海道五十三次の西の起点であり、古くから交通の要衝として旅人が往来した三条大橋から南西へ徒歩4分ほど。高瀬川畔の雑居ビル地下1階に、「深夜喫茶/ホール 多聞」はあります。看板にいざなわれるまま階段を下りてガラス扉を開けると、目の前にカウンター席、奥にテーブル席を据えた空間が。ほの暗い照明が落ち着いた雰囲気を醸しています。

     

    真夜中の3時まで過ごせる繁華街の喫茶店

    「深夜喫茶/ホール 多聞」をプロデュースするのは、西條豪さん。京都のローカルカルチャー誌、「echo『街響空間』」を発刊し、多彩なイベントを開催するなど、京都のカルチャーシーンをリードするキーパーソンのひとりです。以前から、京都でも指折りの人気観光地・哲学の道近くの北白川で「深夜喫茶しんしんしん」を営んでいますが、より街なかに、と繁華街の木屋町に姉妹店をオープンすることに。

    「夜の喫茶店、ときどきイベントホール」をコンセプトとした店の名は、「店内に流れるBGM、豆を挽く音、お客さんの笑い声、ひそやかな会話、無言のまなざしと雄弁なしぐさ。さまざまなノイズと時として生の演奏や歌……共鳴する多くの音たちに耳を傾けられる場所に」という思いで名付けたといいます。
     


    席ごとにデザインの異なるアンティークの椅子やテーブル、壁を飾る写真や野菜の入った段ボール箱の切り抜きなどが、雑多でありながら不思議と調和しています。店のオープンは2024年3月と歴史は新しいのですが、ずっと前からここにある老舗喫茶のような空気感が、居心地のよさにつながっているのでしょう。

    オープン当初からオーナーの右腕として店に立つスタッフの中川栞さんは、「この場所は、もともと結婚式の2次会などで使われていたようで、マジックミラーや新郎新婦が歩くランウェイなどもあったんですよ。内装は、オーナーの大学時代の友人や北白川の店の常連さん、知り合いの知り合いなど有志やスタッフたちで仕上げました。このカウンターもみんなでDIYして作ったんですよ」

     

    カウンター席のそばには「読書室」と名付けられた小部屋もあります。小説やエッセイ、アート&カルチャーの本など無造作に並んだ本棚から気になる一冊を手に取って、読みふけるのもよさそうです。

     


     
    店内のいちばん奥には、喫煙できる小部屋も用意されています。他の部屋に煙は漂ってこないので、たばこを吸う人も吸わない人も、心地よく過ごせます。


    バラエティ豊かなメニューがスタンバイ
     

    ドリンクは、自家焙煎のコーヒーをはじめ、紅茶、ハーブティー、自家製ジンジャーエールといったノンアルコールドリンク、ビール、ウイスキーなどの定番からラムココア、特製コーヒーウォッカといった珍しいものまで、アルコール類も多彩にそろいます。

    店内のキッチンで手づくりするデザートメニューも評判で、「洋酒入りガトーショコラ」、「スパイスチーズケーキ」、「レモンパウンドケーキ」、「夜のパフェ」などが楽しめます。

     「洋酒入りガトーショコラ」690円と「ホットラムチャイ」1,100円

    とくに人気の「洋酒入りガトーショコラ」には、「ガトーショコラに合わせるのには珍しい、ドライいちじくを入れてみました。プチプチとした食感のアクセントも楽しんでいただければ」

    中川さんにおすすめしてもらったラムチャイは、「3種のスパイスや生姜をオリジナルブレンドしています。スパイスの配合は企業秘密で(笑)」。その名のとおりラム酒が鼻腔をくすぐる大人の味わいで、ガトーショコラとの相性も抜群です。

     
    「多聞クッキィ」税込390円

    「深夜喫茶しんしんしん」と共通のアイコンであり、店のロゴデザインにも使われているランプとコーヒーのイラストを型押ししたオリジナルクッキーもあります。
    「バターをたっぷり練り込んで焼き上げますが、甘いだけではなく、少し塩気も残しています」。そのため、コーヒーや紅茶にはもちろん、ナッツの代わりにお酒のおともにもぴったりです。店内でいただく場合はお皿にのせて提供されますが、レジ横で袋入りの販売もありますので、ふだんのおやつやちょっとしたプレゼント用に買って帰るのもいいですね。


    「夜のナポリタン」税込1,300円

    お腹を満たしたいときには、「夜の喫茶なので、大人っぽい味付けに」と考案された「夜のナポリタン」を。赤ワインを加えて煮込んだ芳醇なソースに、隠し味のサワークリームを加えることでさっぱりとした後味に。やや太めの麺はしっかりと炒めてソースのうまみを染み込ませ、食べ応えのあるひと皿に仕上げています。


     
    中川さんは、「このあたりは繁華街ですから、お酒を飲むことが主となるお店がほとんどで、コーヒー一杯で過ごせるところがあまりないんです。この店は飲み疲れた人や、電車の始発を待つ人たちの避難所のような存在でもあると思っています。クラブとかでお酒を飲んだ若者たちが、ここでルイボスティーを飲んでホッとしている姿に、なんだかキュンとすることもあります」と微笑みをたたえて話してくれました。

    深夜の河原町・木屋町エリアの“とまり木”のような存在としてすっかりこの地に根ざした「深夜喫茶/ホール 多聞」。時折音楽ライブやトークイベントなど幅広いジャンルの企画も行なわれていますので、店内の壁に貼られたチラシやSNSをチェックし、京都カルチャーに浸ってみてはいかがでしょうか。

     

    今回のスポットの基本情報

    【店名】深夜喫茶/ホール 多聞(しんやきっさ/ホール たもん)
    【住所】京都市中京区木屋町通三条下ル材木町175 京都ゴールデンビルB1F
    【電話番号】075-708-7797
    【アクセス】京阪三条駅・地下鉄三条京阪駅から徒歩4分
     ※2025年3月取材時点の情報です
     ※最新情報は、公式HPよりご確認ください

    ライター・カメラマン情報

    ライター:佐藤 理菜子
    築90年を超える国指定・登録有形文化財の京町家を拠点に京都の魅力を発信する株式会社らくたびに所属。猫と日本酒をこよなく愛する、旅行情報誌やWEBの編集者&ライター。神社&お寺、レトロ建築、苔庭、水辺の風景、和菓子店めぐりも好む。

    カメラマン:マツダナオキ
    富山県生まれ、東京都内の撮影スタジオで3年間スタジオマン経験後、フリーランスのカメラマンに。13年前に縁もゆかりもない京都に移住。カフェ撮影を得意としつつ人物、料理、風景、建築などオールマイティにこなす。
    HP

    今回の記事制作担当

    株式会社らくたび

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