京中華・居酒屋・洋食。地元で親しまれる店で、カジュアルに楽しむ京都の夜ごはん

2026年03月31日(火)

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  • 祇園・清水寺

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京中華・居酒屋・洋食。地元で親しまれる店で、カジュアルに楽しむ京都の夜ごはん

目次

    夜ごはんは気軽に、でも京都らしい空気を感じながら。
    祇園であっさりやさしい“京中華”を味わうのもよし、地元の人たちが通う立ち飲み酒場で肩を並べるのもよし。明治から続く洋食店で芸舞妓さんたちにも愛されてきた一皿を楽しむのも、この街ならではの夜の過ごし方です。美味しくて気軽な、地元の人にも親しまれている京都の夜ごはんをご紹介します。

    【広東料理 竹香】花街で育まれた、あっさりやさしい京風中華


    広東料理をベースに京都の文化のなかで育まれてきた中華料理は、近年「京中華」「京風中華」とも呼ばれるようになりました。

    1966(昭和41)年創業、祇園新橋に店を構える「広東料理 竹香」も、その系譜につながる一軒。祇園という場所柄、芸舞妓さんの文化ととも育まれてきたやさしい味わいが楽しめます。

    店名の「竹香」は、祇園甲部の芸妓さんから受け継いだ名前。

    現女将のおばあさんは、芸妓・竹香の養女としてその名前を継ぎ、芸舞妓さんたちのお茶の先生をしていたそうです。その後、息子である現女将のお父さんがこのお店を開店しました。

    そうした縁からお仕事前の芸舞妓さんが訪れることも多く、「匂いが残らないように、にんにくやニラは使わず、ねぎや生姜、玉ねぎもできるだけ控えてほしい」という声が寄せられました。「父も最初は『そんなん無理や』と思ったらしいけど、この場所で中華料理をさしてもらうんやったら考えなあかんと」。油もできるだけ抑え、試行錯誤の末に生まれたのが、竹香ならではの味です。

    多くのお客さんが注文する名物が「すぶた」と「春巻き」。

    すぶたは西陣の「林孝太郎造酢」の米酢を使い、やわらかな酸味で味わいまろやか。小ぶりの一口サイズなので、衣にあんがしっかり絡み、ぱくりと食べれば口の中に美味しさが広がります。

    春巻きは一度揚げてから注文ごとにもう一度火を入れるため、外はパリッと中はもちもち。シンプルだからこそ、具材の味が際立ちます。

    そして「ふかひれスープ」も印象的な一品。まさに“はんなり”な見た目ですが、豚肉や彩りのハムが入り、しっかりとした旨みがあります。鶏ガラだけでなく鰹などを合わせたオリジナルのだしを使い、にんにくや香辛料はもちろん合成調味料も不使用。使う食材に制限があるなかで美味しさを引き出す工夫が光ります。

    長年通う地元客も多く、なかには4代にわたって訪れる家族もいるそう。店内の個室には、芸妓・竹香が身につけていたかんざしも飾られ、花街の歴史を静かに伝えています。祇園で長く愛されてきた、味わいも心遣いもやさしい京中華です。

    広東御料理 竹香

    住所 京都市東山区橋本町390
    アクセス 京阪電車京阪本線 祇園四条駅から徒歩約5分
    営業時間 17:00~21:00(20:20L.O.)
    定休日 火曜日
    連絡先 075-561-1209
    ※予約は2階席の宴会のみ
    URL https://gion-takeka.com/

     

    【たつみ】メニューの短冊に心躍る、京都の老舗酒場で一杯


    河原町の中心にありながら、昔ながらの酒場の空気を今も残す居酒屋「たつみ」。1968(昭和43)年に、酒蔵の名前を掲げた「万長酒場」という屋号で開店。その時の意匠が店内の壁に残っています。

    1986(昭和61)年に現在の「たつみ」となり、家族を中心にお店を切り盛りされています。

    店内に入ると、壁一面にずらりと並ぶ短冊メニュー。そんな光景に囲まれていると、なんだか気分は酒場の達人です。

    たつみの短冊は、赤色で囲まれているものが定番メニューで、黄色がその日の仕入れで変わる季節の料理。中央市場から仕入れる京野菜や魚介など、旬の食材を使うため、メニューは毎日変わります。

    オーダーするメニューを悩む時間も楽しいですが、迷ったときは「たつみ名物」や「たつみ特製」と書かれた料理を選ぶのがおすすめ。例えば「里芋まんじゅう」は、ねっちりとした里芋の中にチーズを忍ばせた一品で、レモンを絞ると和とも洋ともつかない絶妙な美味しさ。若い女性から年配の常連まで、幅広くファンが多いメニューなのだとか。

    さっぱりとした酢の物も人気で、「はも皮」は京都らしさも感じる一皿。毎日食べても飽きが来ず、必ず頼む常連さんもいるそうです。さらに、鯖のぬか漬け「へしこ」も一押し。厳選したお店から仕入れるこだわりの味で、豊富に揃う日本酒と合わせてゆっくり楽しみたいところ。

    そして、創業当時から変わらない名物が「牛すじどて焼き」。かつてこのあたりにホルモン店が多かったことから、お酒のあてとして親しまれてきた一皿です。

    かつては男性サラリーマンが中心だった客層も、今では大学生やママ友グループ、夜勤明けの人などさまざま。常連さんと一見さんが入り混じり、カウンターでは自然と会話が生まれることもあります。立ち飲みでさっと一杯もよし、テーブルでゆっくり料理を楽しむもよし。京都の街で長く愛されてきた、あたたかな酒場です。

    住所 京都府京都市中京区中之町572 しのぶ会館1F
    アクセス 阪急電車京都線 京都河原町駅から徒歩約2分
    営業時間 12:00〜22:00(20:20 L.O.)
    定休日 木曜日
    連絡先 075-256-4821
    URL https://www.instagram.com/tatsumi_kyoto_/

     

    【グリル富久屋】宮川町で愛され続ける、明治創業の洋食屋さんの名物フクヤライス


    芸舞妓さんたちで華やぐ京都五花街のひとつ、宮川町。置屋やお茶屋が並ぶこの町で、1907(明治40)年から続く洋食屋さんが「グリル富久屋」です。

    メニューには、さまざまなおかずが楽しめる「洋食弁当」やボリュームのある「トンカツ」、サンドイッチ、クリームコロッケなど、昔ながらの洋食がずらり。どの料理にもファンがいて、幅広く人気ですが、そのなかでも名物として知られているのが「フクヤライス」です。

    つやつやと輝く半熟卵の上には、トマトやグリーンピース、ハムの鮮やかな彩り。運ばれてくると、テーブルがパッと明るくなる可愛らしい一皿です。

    フクヤライスが生まれたのは、今から約70年前。芸妓さんが旦那衆と食事に出かける“ごはんたべ”の席で、「やわらかいオムライスが食べたい」とリクエストしたことがきっかけでした。当時はしっかり焼いた卵のオムライスが一般的でしたが、半熟の卵を巻かずにふわりとのせて提供するとほかのお客さんからも評判に。「芸妓さんらはカスタマイズするの好きやねん。今も昔も」と、4代目店主は笑います。

    当初は松茸や蟹身をのせた豪華なものだったそうですが、レギュラーメニュー入りするにあたり、現在のトッピングに落ち着きました。さっぱりとしたケチャップライスと具材のバランスが良く、「昔からこれ食べててん」と言うお客さんがいるから具は変えられないとのこと。お客さんの声から生まれ、守られてきた味なのです。


    店内の壁には、夏になると芸舞妓さんがご挨拶で配る名入りの京丸うちわが飾られています。お稽古帰りに舞妓さんが立ち寄ることもあり、「外から覗いて『おかあさんおらんかな?』と確認してから入ってくるわ」と4代目。どこに行っても注目される舞妓さんたちにとって、ここは安心して食事ができる場所なのだそうです。

    花街に繰り出す前に一杯飲んでいくお客さんも多く、宮川町の人たちにとっては、まさに“まちの洋食屋さん”。長い年月のなかで、花街の暮らしとともに歩んできた一軒です。

     

    グリル富久屋

    住所 京都府京都市東山区宮川筋5丁目341
    アクセス 京阪電車京阪本線 祇園四条駅から徒歩約10分
    営業時間 12:00〜21:00
    定休日 木曜日・第3水曜日
    連絡先 075-561-2980
    URL なし


    肩肘張らずに楽しめる夜ごはんのお店にも、京都ならではの雰囲気があります。地元の人が通う酒場や花街で愛されたお店に息づくのは、歴史や人とのつながり。観光や街歩きを終えたあと、お腹と心を満たしに立ち寄ってみてください。きっと京都の夜を気持ちよく過ごせる一軒に出会えるはずです。


    カジュアルに楽しめる、京都の夜ごはん処一覧


    百練

    裏寺エリアにある大衆酒場。お酒に合う一品が豊富に揃い、気軽に楽しめる雰囲気も魅力です。アツアツ鉄板の「ステーキ定食」もあるので、しっかり夜にもぴったり。

    住所 京都市中京区裏寺町通四条上ル中之町572 しのぶ会館2階
    アクセス 阪急京都線 河原町駅より徒歩1分
    京阪本線 祇園四条駅より徒歩4分 
    営業時間 11:30~22:30
    定休日
    連絡先 075-213-2723
    URL https://www.hyakuren.com/

    一献うるうる

    四条烏丸の路地に佇む、京町家を改装した居酒屋。伏見をはじめ全国の酒蔵から厳選した日本酒と、旬の京都食材を使った一品料理やおばんざいが揃い、レトロな空間ごと楽しめる一軒です。

    住所 京都府京都市下京区燈籠町601-1
    アクセス 京都市営地下鉄烏丸線「四条駅」5番出口から徒歩5分
    京都市営地下鉄烏丸線「五条駅」1番出口から徒歩4分
    営業時間 17:00~23:00(お料理L.O.22:00、お酒L.O.22:30)
    定休日 不定休
    連絡先 075-352-0680
    URL https://www.kyoto-uru-uru.com/
    https://www.instagram.com/uruuruikkon_offcial/

    魚料理 魚源 ととげん 西舞鶴店 

    舞鶴の鮮魚店直営の確かな目利きによる地魚料理は、日本酒との相性も抜群。和の趣ある店内で、観光や会食など様々なシーンに極上の旬を届けます。

    住所 京都府舞鶴市引土263-18
    アクセス  JR舞鶴線「西舞鶴駅」より徒歩3分
    営業時間 11:00~14:00
    17:00~22:00(飲食L.O.21:00、飲み物L.O.21:30)
    定休日 木曜日
    ※金曜日のランチ営業もお休みしております。
    連絡先 0773-77-5534
    URL https://www.totogen.net/

    鳥名子

    京都・福知山の中心、御霊神社裏参道前の鳥料理店。
    鳥名子名物「鴨すき」をはじめ、様々な鳥料理を楽しむことができます。

    住所 京都府福知山市御霊神社裏参道前
    アクセス JR福知山駅 徒歩10分
    福知山ICから9号線を鳥取・天橋立方面へ
    営業時間 平日・土曜:17:00〜23:00(L.O 22時)
    日・祝祭日:17:00〜22:00(L.O 21時)
    大晦日:12:00〜17:00(お持ち帰りのみ)
    定休日 12月31日~1月4日
    連絡先 0773-22-1804
    URL https://www.torinago.com/index.html#torinago-fukuchiyama

    ※情報は2026年3月時点のものです

    企画・取材・執筆|狸山みほたん
    撮影|佐々木明日華
    編集|株式会社ツドイ

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