今年も時代祭前に開催!「神職が案内する平安神宮プラン」のみどころ

2026年08月05日(水)

  • 哲学の道・岡崎

今年も時代祭前に開催!「神職が案内する平安神宮プラン」のみどころ

目次

    平安神宮は、創建130年という大きな節目を迎え、今年3月に盛大に130年祭が執り行われました。平安神宮の歴史や京都の底力を学べる特別参拝企画「もうすぐ時代祭!神職とめぐる平安神宮神苑と衣裳見学プラン」が今年も10月に実施されます。
    明治維新に伴う東京遷都は、千有余年にわたり都であり続けた京都に深刻な危機をもたらしました。人口は激減し、それに伴い産業や活気も失われつつありました。この未曾有の危機に対し、当時の京都の人々は伝統の継承と近代化という二つを両立させながら、驚異的な復興を成し遂げました。その象徴として、明治28年(1895年)に「平安遷都1100年」を記念して創建されたのが平安神宮です。写真提供:平安神宮

    ここでは、この企画の概要と魅力について触れるとともに、その背景にある「第4回内国勧業博覧会」や日本最初の電気鉄道、通常非公開の「時代祭収蔵庫」や貴賓館「尚美館」の内部見学から時代祭について、そして神苑の美しさを支える「琵琶湖疏水」についても触れます。

    「神職が案内する平安神宮プラン」について

    このプランは、毎年10月22日に行われる京都三大祭の一つ「時代祭」を目前に控えた時期にのみ開催される、特別な参拝企画です。
    こちらの企画は、平安神宮の正門である大極殿を模した鮮やかな「応天門」前に集合です。

    案内役の神職の方と一緒に境内を巡る形になります。

    企画の主なポイントと限定授与

    * 神職による特別ガイド: 通常の参拝では聞けない神社の歴史や、お堂社殿の建築美に隠されたエピソードを、プロの視点から詳しく解説があります。
    * 名勝「神苑」の散策: 明治を代表する天才造園家・七代目小川治兵衛が手掛けた、広大で美しい庭園をきます。
    * 重要文化財の日本最古の電車車内特別公開: 普段は外観からしか見られない「京都市交通局2号電車」の車内へ立ち入ることができます。
    * 時代祭収蔵庫の特別公開: 時代祭の舞台裏である収蔵庫に入り、実際に使われる本物の「衣裳」や「祭具」「道武具」を間近で見学できます。
    * 通常非公開「尚美館」の内部見学: 普段は非公開の貴重な建物内を見学し、普段見ることが出来ない角度から庭園を鑑賞できます。
    * 限定御朱印: この企画に参加した人のみ授与される「時代祭限定御朱印」が授与されます。

    平安神宮を参拝するだけでなく、時代祭や明治時代の京都の近代化について、知ることが出来る内容になっています。

    平安神宮が生まれたきっかけとなった「内国勧業博覧会」

    平安神宮の誕生を語る上で欠かせないのが、明治28年に岡崎の地で開催された「第4回内国勧業博覧会」です。
    内国勧業博覧会とは、明治政府が国内の産業を発展させる目的で国を挙げて開催した、今でいう大規模な博覧会のことです。それまでは東京だけで開かれていたのですが、京都を復活させたいという地元の人たちの熱意と努力によって、初めて京都に誘致することに成功しました。
    この博覧会のメインパビリオンとして、はるか昔の平安京の役所である「朝堂院」を、8分の5のサイズで精巧に再現しました。朝堂院の再現が終わったあと、この建物をそのまま神社にして、京都を最初におこした桓武天皇をお祀りしようとして誕生したのが平安神宮なのです。
    つまり、平安神宮は伝統的な神社であると同時に、日本の近代化をお祝いする博覧会から生まれたモダンな場所なのです。そして、この博覧会に合わせて京都の歴史と、自慢の染物や織物の技術を全国にアピールしようと始まった行列が、今の時代祭でした。

    国重要文化財「京都市交通局2号電車」の車内特別公開

    明治28年は京都にとって復興元年とも言える年でしたが、その近代化、先走りの象徴ともいえるものが、集合場所の応天門のすぐ西側に保存されています。それが、国の重要文化財に指定されている「京都市交通局2号電車(京都電気鉄道電車)」です。

    明治28年、内国勧業博覧会の開催に合わせて、京都の街に日本で初めての営業用路面電車が開通しました。京都は日本で最初に電車を走らせた街なのです。この電車は明治44年(1911年)に製造されたもので、開業当時の車両そのものではありませんが、昭和36年(1961年)の廃線まで京都の街を走り、当時の姿をよく留めていることから国の重要文化財に指定されました。
    通常非公開の、この2号電車の「車内」を特別に見学出来ることも、この企画のポイントです。永年の展示を経て、クラウドファンディングなどの協力のもと美しく修復され公開されています。一歩車内に足を踏み入れると、そこは昭和36年の現役引退時のままの空間が広がっています。写真提供:平安神宮

    当時の路線図や運賃表、広告も一部残っており、まるで当時にタイムスリップしたかのようです。なお、近年きれいに塗り直された車体のなかで、車両番号のところが再塗装されていないところがありますが、それについて当日説明があるかもしれません。

     時代祭の「収蔵庫」の歴史的価値

    博覧会という近代イベントから始まった時代祭ですが、その衣装や祭具を今も大切に守り続けているのが「時代祭収蔵庫」であり、本企画の最大のポイントとなります。写真提供:平安神宮

    「動く歴史風俗絵巻」とも呼ばれている時代祭の行列に参加する人たちが身につける衣裳や祭具、道具の総数は約2,000点にも及び、すべて当時のままの姿を再現した物ばかりで、その総額は50億円以上とも言われています。

    この企画では通常非公開の収蔵庫に特別に立ち入り、それらの衣裳や祭具、道具を間近で見ることが出来ます。一歩中に入ると、西陣織の着物や、職人技が光る漆器、金属工芸、刺繍など、京都が誇る最高峰の伝統技術の結晶が目の前に広がります。中には、誰もがよく知る歴史上の人物役がまとうもの、例えば「織田信長」が上洛の際に着用したとされる豪華な甲冑や、幕末の英雄「坂本龍馬」の装束なども、綿密な時代考証のもとで復元され、当時の染料や織り方のまま展示されています。
    そして、時代祭を動かしている主役こそが京都市民です。時代祭の行列は、京都市内のそれぞれの地域(小学校区)ごとに担当が代々きっちり決まっています。市民の中には仕事を休んだりして、伝統の重みを背負ってボランティアとして参加しています。
    案内役を務める神職の方のお話はどれも非常に興味深く、時にはユーモアを交えながら、聞く人を引きつける魅力にあふれています。世代を超えて祭りを守り続ける京都の人々の熱い執念と地域コミュニティの絆、そして誇りを感じることができます。

    雨は大敵。順延や伝統を守るための知恵

    しかし、これほど高価で繊細な本物の衣裳や祭具を使っているからこそ、時代祭には雨が大敵です。
    もし10月22日が雨天の場合、行列は翌日に順延となります。すべてが本物だからこそ、雨天順延になった際や万が一の雨濡れのときには、それらを美しく維持・修復するために、大変な手間と知恵、そして大きな維持費用必要になってきます。
    文化財級の衣装や甲冑を次の世代へ美しいまま残すために、京都の職人さんたちがどのような技を尽くしているのか、そしてお祭りの華やかさを裏で支える人々の苦労とはどのようなものなのか、当日に神職の方からお話を聞くことで、時代祭の文化的な価値がさらに深く理解できるようになります。

    琵琶湖疏水が紡ぐ、生き物たちの「奇跡の聖地」

    名勝「神苑」へと歩みを進めると、美しい池や小川に癒やされます。

    この豊かな水こそが、先ほどご紹介した日本最初の水力発電や電車を動かしたエネルギー源であり、京都の命脈となった「琵琶湖疏水」から引いているものです。
    琵琶湖の水を京都に引っ張ってきたことで、素晴らしい副産物が生まれました。大津の取水口から疏水のトンネルを旅してきた琵琶湖の魚や貝たちが、そのままこの神苑の池に引っ越してきたのです。
    現在、本家の琵琶湖では環境の変化などにより、昔からいた貴重な在来魚たちがどんどん姿を消してしまっています。ところが、この平安神宮の神苑は外来種が入ってこなかったため、130年前の琵琶湖の豊かな生態系がそのままタイムカプセルのように守られてきました。

    その代表が、国の絶滅危惧種になっている淡水魚「イチモンジタナゴ」です。今ではここで大切に育てたイチモンジタナゴを、京都市動物園や滋賀県の琵琶湖博物館と協力して増やし、本来の故郷である琵琶湖へ里帰り(野生復帰)させるという、最先端の自然保護プロジェクトまで行われています。神苑の池は、ただ綺麗なお庭というだけでなく、消えかけた命を救う秘密のシェルターでもあるのです。

     京都御所ゆかりの貴賓館「尚美館」

    このように、歴史と自然が豊かに交差する神苑のなかで、最後に特別に扉が開かれるのが、東神苑の栖鳳池(せいほういけ)のほとりに佇む「貴賓館 尚美館(しょうびかん)」です。

    格式高い建築美と空間

    この建物は、京都御所から移築された、歴史的価値の高い建造物です。

    通常は一般非公開となっていますが、この企画では神職の方の案内のもと、特別に内部を見学することもできます。

    室内へ入ると、そこには金色できらびやかに描かれた鶴や松といった、伝統モチーフの美しい襖絵(障壁画)が広がっており、かつて各国の賓客をおもてなしした優雅な格式をそのまま肌で感じることができます。

    さらに、この尚美館から見る神苑の池や、池に架かる「泰平閣」の眺めは、まるで一幅の美しい絵画のようです。お庭を外から歩いて眺めるのとは全く違う、特別な景色を見ることが出来ます。

    「もうすぐ時代祭 神職が案内する平安神宮プラン」は、ただ平安神宮の建築や景観を見学するだけでなく、歴史的背景や京都の近代化について、神職の方の案内によってひとつの物語になるところにあります。皆さんも是非ご参加ください。

    詳細情報

    プラン名 神職の案内でめぐる 名勝 平安神宮神苑と時代祭装束
    開催日 2026年10月3日(土)・10日(土)・11日(日)の3日間限定
    開催時間(事前予約制) 各日8:30~10:30(所要時間 約2時間)※参加ご希望日の2日前10:00までにご予約ください。
    料金 お一人 5,000円 おとな・こども同額 ※事前クレジットカード決済
    人数 4名~30名※1名様からお申込みいただけますが、2日前10:00の時点で各日お申込み人数が4名様に満たない場合は中止となります。
    詳細・予約サイト 事前予約で楽しむ 京都旅(京都市観光協会 DMO KYOTO)

    記事制作協力:平安神宮

    記事制作:京都市観光協会誘致事業課 「朝観光・夜観光」担当

     

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