京都の朝風呂/ゆとなみ社・湊三次郎さんが語る銭湯の魅力

2026年02月19日(木)

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京都の朝風呂/ゆとなみ社・湊三次郎さんが語る銭湯の魅力

目次

    京都には朝風呂を楽しめる銭湯がいくつもあります。この記事では、一日のスタートを朝湯でさっぱりはじめたくなる、京都ならではの魅力に満ちた銭湯をご紹介します。

    サウナの梅湯

    今回、京都の銭湯の楽しみ方を案内してくれるのは、「銭湯を日本から消さない」をモットーに、廃業寸前の銭湯を次々と人気店へと再生させてきた「ゆとなみ社」の代表 湊三次郎さんです。湊さんは歴史ある銭湯を守るだけでなく、若者たちが働きたいと集まり、新しいカルチャーが生まれる場所として銭湯を蘇らせています。

    そんな湊さんの視点を通じて、京都の銭湯、朝風呂の魅力と楽しみ方をご紹介します。

    湊 三次郎
    1990年、静岡県浜松市生まれ。大学進学とともに京都へ移住。銭湯サークルを立ち上げ、京都府内で160軒、全国700軒ほどの銭湯を巡る。アパレル会社に勤務後、脱サラし「サウナの梅湯(京都)」を再建。そのほか、「ゆとなみ社」として「源湯(京都)」「容輝湯(滋賀)」「人蔘湯(愛知)」「みやの湯(大阪)」「鴨川湯(京都)」「湊河湯(兵庫)」「一乃湯(三重)」「パール温泉(大阪)」「扇温泉(大阪)」の、10軒の銭湯経営をする銭湯活動家。「銭湯を日本から消さない」が信念。

    五感で味わう「水」と「空間」

    ──京都の銭湯を巡っていると、どこか独特の心地よさを感じます。他府県の銭湯と決定的に違うポイントはどこにあるのでしょうか?

    「京都の銭湯を語る上で欠かせないのが『水』です。京都市内の銭湯の多くは地下水を使用しています。京都の地下水をつかってできたお酒など、口に入れる名水はありますが、全身でその水質を感じられる場所は銭湯しかありません。なかには水風呂だけでなくスチームサウナにも地下水を使っている店舗があり、全身で京都の天然水を浴びる贅沢がそこにはあります」

    ──天然水を「浴びる」というのは究極の贅沢ですね。建物についても京都らしい特徴があるのでしょうか?

    「建築や浴室内の意匠も見逃せません。東京の銭湯に見られる寺社のような『宮造り』とは異なり、京都の銭湯は町家を大きくしたような外観が特徴です。またコンパクトな空間の中に、多様な浴槽が配置され、店舗ごとに異なる意匠が楽しめるのも、京都銭湯ならではの楽しみです」

    めぐる楽しみがふえる、料金体系

    ──初めての方でも気兼ねなく楽しめるよう、料金体系について教えていただけますか?

    「東京を中心に入浴料とサウナ料金が分かれているのが一般的なのですが、京都市内の多くの銭湯では、入浴料だけでサウナも利用することが可能です。他府県に比べて全体のコストが抑えられる分、金銭的なハードルもグッと下がります。浮いたお金でもう一軒別の銭湯へ足を運ぶ、なんていう『銭湯のハシゴ』も京都なら気軽に楽しめます」

    街歩きとセットで楽しむ「日常への旅」

    ──銭湯を旅の目的地に選ぶことの醍醐味は何でしょうか?

    「銭湯を目的地にすることで、普段の観光では通らないような路地や、地域の人が通う個人商店に出会えます。銭湯は地域住民の生活の拠点であり、その周辺には飾らない京都の日常が広がっています。ローカルなお店を見つけ、銭湯への道すがら立ち寄る。ガイドブックに載らない暮らし目線での街歩きが、銭湯を旅の目的地にする醍醐味です」

    ──朝風呂は夜とはちがった雰囲気なのでしょうか?

    「常連の方はもちろんですが、仕事前に立ち寄る方や、観光客の方がその日最初の目的地として訪れていただいたり、お一人でいらっしゃる方も多いので、夜とは違った朝の日常を感じることができると思います」

    「お邪魔します」の心で楽しむツーリストシップ

    ──京都市では、観光に関わるすべての人たちがお互いを尊重しあえるための行動基準「京都観光モラル」が推奨されており、銭湯も例外ではありません。湊さんは、より良い入浴体験のためにこう語ります。

    「銭湯のマナーとして、特に気をつけてほしいのが“脱衣所を濡らさない”こと。自宅でも床が濡れていると困りますよね(笑)。浴室に入るときにタオルを持参し、浴室から出る時は体を拭いてから脱衣所にもどる、それだけでも入浴されるみなさんの快適度があがると思います。銭湯は地域の方々の大切な生活の場でもあります。様々なマナーはありますが、“地元の方の日常にお邪魔します”というリスペクトの気持ちがあれば、おのずと互いに気配りができるのではないでしょうか」

    オリジナルグッズで広がる、銭湯の楽しみ

    ──湊さんが経営する「ゆとなみ社」の銭湯をはじめ、最近では各銭湯が趣向を凝らしたグッズを展開されている印象があります。

    「買ってすぐに使えるオリジナルのタオルや石鹸をはじめ、旅の思い出になる様々なグッズもぜひ手にとってみてください。銭湯ごとに異なる個性豊かな銭湯グッズは、お土産にもぴったりだと思います」

    ──最後にこれから銭湯を訪れる方にメッセージをお願いします。

    「京都の銭湯をはじめ、全国各地で銭湯の廃業が進んでいます。『銭湯を日本から消さない』がモットーなので、銭湯が『ツウな京都の観光スポット』として定着してくれるといいなと思っています。もし訪れた銭湯が素敵だと思ったら、周りの方にもおすすめいただきたいです。今はSNSやGoogleマップを参考に銭湯に訪れる方も多いので、“あの銭湯よかったよ”の声を広げてもらえると嬉しいです」

    最低限のマナーと「お邪魔します」という地域へのリスペクトがあれば、京都の銭湯はあなたを温かく迎え入れてくれます。歴史と個性が宿る建物、贅沢な地下水、そして地域の人々の息づかい。旅のはじまりに、銭湯の暖簾をくぐり、京都の日常をぜひ味わってください。

     

    朝風呂銭湯一覧

    サウナの梅湯(さうなのうめゆ)

    住所 京都市下京区岩滝町175-1
    連絡先 080-2523-0626
    営業時間 6:00~26:00(通し営業)
    定休日 木曜日
    URL https://yutonamisha.com/sento/umeyu/

    鴨川湯(かもがわゆ)

    住所 京都市左京区下鴨上川原町56
    連絡先 080-3916-6540
    営業時間(朝風呂) 日曜日 8:00~25:00
    営業時間(通常) 14:00~25:00
    定休日 火曜日
    URL https://yutonamisha.com/sento/kamogawayu/

    旭湯(あさひゆ)

    住所 京都市南区唐橋羅城門町20
    連絡先 075-691-5374
    営業時間(朝風呂) 日曜日 8:00~24:00
    営業時間(通常) 14:00~24:30
    定休日 月曜日
    URL https://1010.kyoto/spot/asahiyu2/

    船岡温泉(ふなおかおんせん)

    住所 京都市北区紫野南舟岡町82-1
    連絡先 075-441-3735
    営業時間(朝風呂) 日曜日 8:00~23:30
    営業時間(通常) 15:00~23:30
    定休日 無休
    URL https://1010.kyoto/spot/funaokaonsen/

    白山湯 高辻店(はくさんゆ たかつじてん)

    住所 京都市下京区東中筋通松原上ル舟屋町665
    連絡先 075-351-3648
    営業時間(朝風呂) 日曜日 7:00~24:00
    営業時間(通常) 15:00~24:00
    定休日 土曜日
    URL https://1010.kyoto/spot/hakusanyutakatsuji/

    白山湯 六条店(はくさんゆ ろくじょうてん)

    住所 京都市下京区新町通六条下ル艮町893
    連絡先 075-351-2733
    営業時間 土曜日・日曜日・祝日 6:00~24:00/平日 6:00~12:00、15:30~24:00
    定休日 水曜日
    URL https://1010.kyoto/spot/hakusanyurokujo/

    社湯(やしろゆ)

    住所 京都市右京区太秦森ケ前町19-9
    連絡先 075-861-1734
    営業時間(朝風呂) 土曜日・日曜日・祝日 6:00~25:00
    営業時間(通常) 15:00~25:00
    定休日 木曜日、第3水曜日
    URL https://1010.kyoto/spot/yashiroyu/

    山城温泉

    住所 京都市上京区仁和寺街道御前西入下横町218
    連絡先 075-461-1345
    営業時間(朝風呂) 土曜日・日曜日・祝日 6:00~25:00
    営業時間(通常) 15:00~25:00
    定休日 木曜日
    URL https://www.yamashiro-onsen.com/

    小町湯(こまちゆ)

    住所 京都市下京区西九条市部町43
    連絡先 075-313-2889
    営業時間(朝風呂) 日曜日 7:00~25:00
    営業時間(通常) 15:00~25:00
    定休日 火曜日
    URL https://1010.kyoto/spot/komachiyu

    太秦温泉(うずまさおんせん)

    住所 京都市右京区太秦多薮町45
    連絡先 075-861-0991
    営業時間(朝風呂) 日曜日、祝日 7:00~24:00( 但し、11:00~15:00は休息時間)
    営業時間(通常) 15:00~24:00
    定休日 第1、第3水曜日
    URL https://1010.kyoto/spot/uzumasaonsen/

     

    ※情報は2026年2月時点のものです。

    撮影|岡安いつ美
    企画編集・取材・執筆|久保岳志(株式会社ツドイ)

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