早起きして行きたい。京都の手づくり市、朝市、蚤の市で出会う「一点ものの物語」

2026年03月31日(火)

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早起きして行きたい。京都の手づくり市、朝市、蚤の市で出会う「一点ものの物語」

目次

    京都の朝、お寺や神社の境内に響くのは、ご奉仕の声だけではありません。荷解きを始める店主たちの威勢のいい声、そして常連客との弾む会話。そこには、ガイドブックには載っていない、京都の「生きた日常」が息づいています。

    明治時代から続く神社のご縁日から、次世代が紡ぐ新しい蚤の市まで。そこでしか手に入らない品物を求めて、少し早起きしてみませんか。

    【百万遍さんの手づくり市(百萬遍知恩寺)】作家の誇りを届けて約40年。手ざわりのある交流を

    毎月15日、百萬遍知恩寺の境内に広がるのは、ハンドメイドにこだわった「百万遍さんの手づくり市」です。来年、2027年の春に40周年を迎えるこの市は、「作家が直接、使い手とつながれる場所を」という想いで企画され、始まりました。

    かつて手づくり市やマーケットがまだ一般的でなかった時代、百貨店の催事に出るのはハードルが高い、というつくり手のために「もっとシンプルに『これ、いいですね』と直接言ってもらえる場を作りたかった」。そんな作家第一の精神が、「作り手と買い手を繋ぐ市」につながっています。

    手づくり市に訪れたら、「これ、どうやって作ったんですか?」と出店者へぜひ尋ねてみてください。作家さんたちは、みな自分の作品に誇りを持っています。作品の背景にある苦労話やこだわりを聞くうちに、その「一点もの」がより愛おしく感じられるはずです。

    百万遍さんの手づくり市は、午前中が勝負です。特に人気のパンや焼き菓子など、食べものは売り切れてしまいがち。早めに到着してお気に入りの品を確保したら、学生街である周辺のリーズナブルな飲食店でランチを味わうのがツウの過ごし方です。

    場所 百萬遍知恩寺
    アクセス JR京都駅より市バス206系統、7系統にて「百万遍」下車
    地下鉄 烏丸線 今出川駅より市バス201系統・203系統にて「百万遍」下車
    京阪 京都線 出町柳駅下車 徒歩10分
    阪急 京都線 四条河原町駅 より市バス3系統・7系統・201系統にて「百万遍」下車
    開催日程 毎月15日(8月は休み)
    時間 8:00~16:00
    URL https://www.tedukuri-ichi.com/

     

    【天神市(北野天満宮)】祈りと商いが溶け合う、約1,000店の巨大迷路

    毎月25日、北野天満宮一帯が巨大な迷路のようになります。それが、天神様(菅原道真公)の月命日にあわせて開かれるご縁日「天神市」です。地元の人は親しみを込めて「天神さん」と言います。

    明治時代から続くといわれるこの市には、境内から周辺の通りまで約1,000軒もの露店がひしめき合い、エネルギーに満ちています。

    かつて露店は飲食店が主流でしたが、最近では骨董品や古着の着物、そして植木の店が多くを占めるようになりました。

    平日の朝は近所の方々が仕事前にお参りし、馴染みの店でさっと買い物を済ませる日常の風景があり、休日になれば遠方からの観光客や家族連れで賑わう。そんな活気がこの市の魅力です。

    「まずはご本殿にお参りいただいて、ぜひその後で露店を楽しんでほしい」と神職の方は語ります。ここは単なる市場ではなく、信仰と生活が表裏一体となった場所。まず本殿で天神様に手を合わせ、その清々しい気持ちのまま露店を巡るのが、この市を愉しむ京都らしい作法です。

    12月25日の開催は「終い天神」、1月25日は「初天神」と呼ばれ、とくに多くの人で賑わいます。2月25日の「梅花祭」では芸舞妓による野点が行われ、6月には茅の輪が登場するなど、季節ごとの神事とともに市も表情を変えます。

    開門は朝7時、露店は8時頃から徐々に開いていきます。9時頃、店主たちが準備を整えたばかりのタイミングで訪れると、掘り出しものに出会える確率も高まります。

    場所 京都市上京区馬喰町 北野天満宮
    アクセス JR京都駅より京都市バス50系統 「北野天満宮前」下車
    京阪本線 三条駅より京都市バス10・51系統「北野天満宮前」下車
    阪急京都本線 西院駅より京都市バス203系統「北野天満宮前」下車
    開催日程 毎月25日
    時間 7:00~日没
    URL https://kitanotenmangu.or.jp/

     

    【平安蚤の市(岡崎公園)】眠っていた価値を掘り起こす、朝の宝探し

    平安神宮の大鳥居を望む岡崎公園で、2019年から始まった「平安蚤の市」。比較的新しい市ながら、今や京都の朝の新しい顔として定着しています。

    主催者が目指したのは、若い世代が気軽に参加できる、開かれた古道具の場。一方であえて「マーケット」のような横文字を使わず、漢字の名称にしたのは、ベテラン世代も気後れせず立ち寄れるようにという気持ちから。

    並んでいるのは、解体される家から救い出された古道具など、誰かにとっての役目を終え、けれど輝きを失っていない「古い」品々です。店主たちが独自の審美眼で拾い上げた、次の持ち主を待つ宝物。

    ヨーロッパのアンティークから日本の昭和レトロまで、ジャンルを超えた目利き店主たちとの会話からは、新しい暮らしのヒントが見つかるかもしれません。

    朝9時のスタートは、実は観光客にとって最高のタイミング。近隣の美術館や施設が開館する10時までの「手前の1時間」をこの蚤の市で過ごせば、効率的で文化的な朝が完成します。

    場所 岡崎公園 平安神宮前広場
    アクセス 地下鉄東西線 東山駅徒歩10分
    京阪本線 三条駅・神宮丸太町駅徒歩15分
    開催日程 WEBサイトをご覧ください。
    時間 9:00~16:00
    URL https://www.heiannominoichi.jp/

     

    モノと一緒に、物語を持ち帰る

    市で店主と言葉を交わす時間は、ものに対する愛情を分けてもらうよう。

    ふと目が合った古い器や、作者の顔が見える手づくりのものを店主との会話とともに持ち帰る体験は、きっとあなたの日常に戻ってからも、京都の朝の光を思い出させてくれるお土産になるはずです。

    京都で朝から買い物ができるマーケット・市 一覧

    東寺 弘法市 

    毎月21日に東寺で開かれる縁日。骨董品などの屋台が所狭しと並び、「弘法さん」の愛称で親しまれる。

    住所 〒601-8473 京都府京都市南区九条町1
    アクセス 近鉄京都線「東寺駅」から徒歩約10分、JR「京都駅」から徒歩約15分
    営業時間 8:00~16:00頃(毎月21日開催)
    定休日 毎月21日以外(21日は雨天決行)
    連絡先 075-691-3325
    URL http://www.touji-ennichi.com/

    東寺 ガラクタ市

    毎月第一日曜に東寺で開催される骨董市。古道具やレトロな雑貨が並び、自分だけの掘り出し物をじっくり探す散策を楽しめます。

    住所 〒601-8473 京都府京都市南区九条町1
    アクセス 近鉄京都線「東寺駅」から徒歩約10分、JR「京都駅」から徒歩約15分
    営業時間 5:00頃~16:00頃(毎月第1日曜開催)
    定休日 毎月第1日曜以外
    連絡先 075-691-3325(東寺)
    URL https://toji.or.jp/

     

    その他の縁日・フリーマーケット・手作り市一覧
    https://global.kyoto.travel/resource/global/download/40-pdf.pdf

    ※情報は2026年3月時点のものです

    企画・取材・執筆|オギユカ
    撮影|
    岡安いつ美 ※天神市(北野天満宮)・平安蚤の市(岡崎公園)
    佐々木明日華 ※百万遍さんの手づくり市(知恩寺)
    編集|株式会社ツドイ
     

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