日本の原風景で迎える朝。美山の「朝ごはん」と里山の散策

2026年03月24日(火)

  • 京都市外

日本の原風景で迎える朝。美山の「朝ごはん」と里山の散策

目次

    京都市内から車で約1時間30分。観光地としての喧騒を離れ、里山の静寂に包まれた南丹市美山町は、宿泊するからこそ出会える朝の顔を持っています。鳥のさえずりで目覚め、朝霧のたなびく茅葺き集落をゆっくり歩く——そんな、ゆとりある旅のかたちを、美山の「朝」に探しに行きませんか。

    【螢庵 ロイヤルガーデンスイート・レンタル】誰にも邪魔されない、一日一組だけの朝

    美山の宿に泊まるなら、ぜひ選んでほしいのが「螢庵 ロイヤルガーデンスイート・レンタル」です。町内最大級の茅葺き屋根を誇るこの古民家は築約150年。その歴史的価値が認められ、国有形登録文化財にも登録されています。元々は西陣織の会社を営む社長が大切に守り続けていた邸宅を引き継いだもので、建物の風格を損なうことなく、丁寧に保たれてきました。

    敷地は約1,600坪(5,300㎡)と広大で、裏山まで続く散策路やひっそりとたたずむ祠など、滞在中の探索も楽しみのひとつです。春には敷地内の山桜が咲き誇り、秋には庭に紅葉が降り積もる。夜は蛙の声とともに、稲穂の揺れる田園風景が広がります。四季それぞれに違う顔を見せてくれる場所です。

    古民家ならではの趣ある寝室で目覚めると、窓の外には庭の緑が目に飛び込んできます。朝の光が差し込む畳の間、縁側から聞こえる鳥のさえずりといった都会では決して出会えない、静かな時間の流れがここにはあります。


    朝食はスタッフが丁寧に準備してくれます。地元のパンに無添加手造りソーセージ、美山牛乳で作った自家製ヨーグルト、美山の卵を使ったスクランブルエッグ——美山で作られたものが並ぶ豊かな朝の食卓がこの旅のハイライトになるはず。コーヒーとともに、里山の朝をゆっくりと味わってください。

    螢庵 ロイヤルガーデンスイート・レンタル

    住所          京都府南丹市美山町(詳細はお問い合わせください)              
    利用人数 定員6名 ※一日一組限定・要予約
    利用時間 チェックイン 15時/チェックアウト 11時
    連絡先 0771-75-5125
    URL https://www.miyamafandb.com/stay/hotaruan

    【美山のめぐみ牛乳工房】里山の恵みが詰まった、朝のひとさじ

    螢庵をチェックアウトしたら、車を約15分走らせます。最初の立ち寄り先は「美山のめぐみ牛乳工房」です。

    道の駅「美山ふれあい広場」に位置するこちらでは、町内3軒の酪農家が育てた乳牛から搾った生乳だけを使い、85℃・15分間かけてじっくりと殺菌しています。大手メーカーの超高温殺菌と比べると、手間はかかりますが、その分だけ生乳本来の風味と甘みがしっかり残ります。ソフトクリームに至っては殺菌温度をさらに70℃まで下げるという、妥協のないこだわりぶりです。

     

    ジェラートのラインナップは常時10種類以上。一番人気のミルク味を筆頭に、ブルーベリーや山椒、栗、いちじくなど、美山の旬の食材を使ったフレーバーが季節ごとに入れ替わります。「季節ごとに来てもらえたら」というスタッフの言葉通り、何度訪れても新しい顔に出会えるのがこの工房の魅力です。

    朝の澄んだ空気のなかで味わうジェラートは、美山の自然がそのまま口の中に広がるような体験です。旅の一日を、ここから始めてみてください。

    美山のめぐみ牛乳工房

    住所 京都府南丹市美山町安掛下23(道の駅 美山ふれあい広場内)
    営業時間 10:00~16:00
    定休日 月曜日
    連絡先 0771-75-0815
    URL https://www.miyamafurusato.com/megumi

    【美山かやぶきの里】人のいない朝だけが見せる、日本の原風景

    ジェラートの後は美山のシンボルへ。道の駅から車で約10分の「美山かやぶきの里」は、江戸〜明治時代に建てられた茅葺き民家が今も39棟現役で使われている、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された集落です。1993年の選定以来、住民が主体となって守り続けてきたこの景観の中に、食事処やカフェ、土産物屋、宿、美術館まで揃っています。

    写真提供:一般社団法人南丹市美山観光まちづくり協会

    集落の入口にある「お土産処かやの里」では、地元の手仕事が詰まった特産品を手に取ることができます。

    なかでも注目は、店の前に広がる畑で収穫したそばを使った「かやぶき蕎麦」。地元の食材を最も近いかたちで届ける、かやの里ならではの一品です。

    集落のなかにある「美山民俗資料館」では、かやぶき屋根の構造や、農具・生活道具など先人の知恵が詰まった展示を見ることができます。

    一見すると素朴に見える道具にも、暮らしを支えてきた合理的な工夫が隠されており、「なるほど」と声が出るような発見があります。かつてこの地域では山でのしごとも盛んに行われており、その道具や、飢饉に備えた保存食の容器、田んぼへ赤ちゃんを連れていくための子守かごなど、里山の暮らしのリアルが展示から伝わってきます。

    お土産処かやの里

    住所 京都府南丹市美山町北揚石21-1
    営業時間 9:00〜17:00
    定休日 なし、年末年始休業
    連絡先 0771-77-0660
    URL https://miyamanavi.com/shopping/kayanosato-shop

    美山民俗資料館

    住所 京都府南丹市美山町北中牧15
    営業時間 10:00〜16:00
    定休日 月曜日
    連絡先 0771-77-0587
    URL https://miyamanavi.com/sightseeing/Miyama-Folk-Museum

    【美山路酒の館】美山の水と米が醸す、旅の記憶を持ち帰る

    かやぶきの里から車で約3分。旅の締めくくりに向かうのは、美山の清らかな水と地元の米で酒を醸す「大石酒造」の直売所「美山路酒の館」です。元禄年間創業、300年の歴史を誇る老舗蔵元が、酒造りに適した美山の名水と米を求めて、2014年にこの地へ蔵を移設しました。

    仕込みの現場を間近で見学できる蔵の中は、酒造りの歴史と空気感が漂う特別な空間。
    見学のあとはきき酒を楽しみながら、自分へのお土産をじっくり選ぶことができます。日本酒のほか、漬物や醤油など美山ゆかりの厳選品も並び、つい手が伸びてしまいます。

    おすすめのお酒は、蔵近くで生産した酒米「五百万石」を使った「美山てんごり」。飲みやすさとコクを両立した美山らしい地酒です。

    もうひとつ気になるのが、アルコール分8%の甘口純米酒「花うつつ」。通常の日本酒よりも低アルコールで、ほんのりとした酸味としっかりとした甘みが特徴です。冷やしてスイーツと合わせるのも、楽しみ方のひとつ。

    帰宅後、週末の夜にそっと栓を開けて、美山の朝を思い出す——そんなひとときのためのお酒です。

    美山路酒の館

    住所 京都府南丹市美山町南新高瀬13
    営業時間 10:00〜17:00
    定休日 水・木曜日 ※11月〜4月の仕込み期間は蔵見学不可
    連絡先 0771-77-0007 ※見学を希望される方は、事前にご連絡ください
    URL https://www.okinazuru.co.jp/

    観光地の喧騒を抜け、里山の静寂の中で過ごす美山の朝は、「何もしない贅沢」の豊かさを教えてくれます。ゆったりとした時間の流れのなかで、食べて、歩いて、学んで、持ち帰る。美山はそんな、土地の恵みを五感で味わう旅ができます。次の旅は、「朝の美山」に会いに行ってみませんか。
    ※情報は2026年3月時点のものです

    企画・取材・執筆・撮影|水谷 秀人(株式会社Hiden)
    編集|株式会社ツドイ

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