夜観光のススメ

2025年02月25日(火)

夜観光

【京都・夜観光のススメ企画(①夜のミュージックスポット)】「話題の酒蔵DJイベントで夜の京都と日本酒を楽しもう~SAKE WORLD~

『初心者でも楽しめるナイトクラブ』“酒の都・京都”の日本酒とカクテルで京都の夜を満喫しよう!



国内外から観光客が訪れる、国際文化観光都市・京都。しかし、ニューヨークやパリといった世界の都市と比べると、京都での観光時間は、昼に集中しています。だからこそ、実はおすすめしたいのが京都の「夜観光」。昔から日本酒の“二大銘醸地”として知られる京都には、音楽と共に日本酒や日本酒カクテルが楽しめるホットなスポットがありました!


意外に訪れやすい!? “京都のいま”を体感できる[WORLD KYOTO]


今回、紹介する夜観光スポットは、京都最大級のナイトクラブである[WORLD KYOTO]。市内一の繁華街の最寄り駅で阪急・京都河原町駅の1番出口から歩いてすぐ。四条木屋町・高瀬川のほとりに[WORLD KYOTO]はあります。


 
[WORLD KYOTO]は2001年にオープンして以来、年々規模を拡大し続け、現在では1000人超えのキャパシティーを誇る老舗のナイトクラブ。去年は、稀代のヒットメーカー・小室哲哉をはじめ、国内のトップDJたちが出演したほか、近年ではスクリレックス、スティーヴ・アオキといった海外のトップアーティストたちも出演している人気のスポットです。


 
クラブにはほとんど行ったことがないという方も少なくないでしょう。しかし、この[WORLD KYOTO]には、1階に入場料フリーのフロアがあり、国内外の観光客もふらっと遊びに訪れるほど、初心者でも気軽に楽しめる観光スポットとして人気。まずは一度、“京都の夜”を体感しに、遊びに行ってみてほしいスポットなのです。


クラブ初心者にもおすすめの注目イベント「Sake World」


そんな[WORLD KYOTO]のイベントの中でも、特にふらっと訪れやすく、なおかつ“京都のいま”を体感できると注目されている、とっておきのイベントが「Sake World」。

京都で日本酒メディアを運営している「リーフ・パブリケーションズ」と[WORLD KYOTO]、そして、日本酒の酒蔵による「京都府酒造青年協議会」のメンバーの三者がタッグを組んで開催されている“日本酒クラブイベント”です。



月に1回開催のこちらのイベントは、訪れた1月31日(金)で7回目の開催。フロアで音楽をかけてDJを担当するのはプロのDJではなく、なんと酒蔵の社長や社員たち!
会場内では京都の酒蔵の銘柄を中心とした日本酒と、それを使用した日本酒のカクテルが提供されており、一度にさまざまな種類を堪能できるのもこのイベントの魅力です。

 夜7時にスタートしたイベントは、夜が更けるにつれ、どんどん人が増えていきます。夜9時を迎える頃には、フロア内が満員になるほどの熱気に包まれていました。


今回で4回目のDJプレイとなる玉乃光酒造の羽場洋介さん(写真中)

この日の序盤には、玉乃光酒造の代表取締役社長・羽場洋介さんがDJとして4回目の登場。自身のお気に入りソングを選曲しながら「仕事から離れて、ちょうどいい息抜きになるんですよ。ただ、自分が楽しいから遊びに来ているだけ」と笑顔をみせつつ、このイベントには、たしかな手応えも感じているといいます。

「これまで日本酒って、同じ醸造酒であるワインと世界では比較されることが多かったんです。ワイングラスで日本酒を飲むだとか、白ワインみたいにスッキリした日本酒だとか。でも、こういうクラブシーンでは、テキーラのような飲み方をしてくれている。日本酒をショットでくっと飲む、みたいな。日本酒の新たな楽しみ方が広がって、おもしろいですね」
 




日本のナイトクラブは海外の観光客にも人気だそうで、「Sake World」にも当然のように外国人のカップルやグループの姿が。アメリカ合衆国アーカンソー州から来日しているという女性客に声をかけると、「最高!めっちゃ楽しい!今日は日本酒ソムリエの資格を持っている友人が誘ってくれて、初めてこのイベントに参加したの。日本酒カクテルも日本酒もおいしいけれど、クラブで飲んだことはなかった。このイベント毎月やるんだって?できることなら毎月来たいわ」と話してくれました。


ドリンクの注目は「Sake World」オリジナルの日本酒カクテル!

 フロア内にはバーカウンターがあって、ドリンクメニューは英語表記も用意されるなど、海外対応もバッチリ。筆者もさっそく日本酒カクテルを飲んでみることに。


 
注文したのは、俳優・佐々木蔵之介さんのご実家としても有名な[佐々木酒造]の聚楽第 純米吟醸を使ったカクテル・秀吉ブルース1200円。口に入れた瞬間、グレープフルーツの爽やかな酸味とほろ苦さが広がり、いい意味で日本酒らしさを感じさせない、すっきりとした大人の味でした。日本酒の原料である米の旨みがグレープフルーツと重なって、まとまりのあるフルーツパンチに仕上がっていました。しゃりっとしたクラッシュアイスの食感が、カクテルの爽快感をさらにかき立ててくれます。
 

佐々木酒造の「聚楽第 純米吟醸」を使ったカクテル「秀吉ブルース」(1200円)

「このカクテルって、どんな日本酒を入れているんだろう?」という好奇心に応えるべく、ベースとなる日本酒がすべてグラスで注文できるのも嬉しいポイント。


 
レシピを考案した[WORLD KYOTO]のバーテンダーさんによると、「日本酒カクテルを作るときに一番大切にしているのは、それぞれの日本酒の個性やいいところを引きの伸ばすこと。例えば、この聚楽第 純米吟醸にはグレープフルーツのような柑橘系の風味を感じたので、グレープフルーツのベースで割ってみることにしました。それ以外の日本酒カクテルもすべて、それぞれが持つ個性を伸ばすことを考えて作っています」とのこと。



 会場には、そんな[佐々木酒造]の代表取締役・佐々木晃さん(蔵之介さんの弟)の姿も。佐々木さんは「わたしは酒造青年協議会の中でも年長者なので、若い人を見守って、サポートできたらと思っています。うちの酒蔵でも音楽イベントをやったことがあって、やっぱりお客さんが喜んでくれるからとてもうれしい。音楽とお酒って、相性がいいんですよね。これまで、クラブで日本酒を飲むことはなかったので、クラブのお客さんにも日本酒を楽しんでもらえるのは、裾野が広がってすごく可能性があるし、期待しています」と話してくれました。


サプライズゲストに出会えることも


この日はイベント中盤のサプライズとして、京都の観光を盛り上げる男性アイドルユニット・新選組リアンのリーダー(現在は解散)で、京都市出身の関義哉さんも登場。DJプレイとグループのデビュー曲『男道』などヒットソングを生歌唱して、会場を大いに沸かせていました。


元新選組リアンのリーダー 関義哉さんが登場しさらに盛り上がる会場

「みなさん懐かしんで手を上げて盛り上げてくださったので、とてもうれしかったです。音楽ってやっぱりいいですね」と関さん。
今回の出演は、日本酒好きの関さんが、ふらっと「Sake World」に遊びに来たことをきっかけに決まったといい、「日本酒」というひとつの共通点をきっかけに輪が広がっていくのも、このイベントの魅力だと感じました。

来場していた京都市内で働く女性客は「日本酒のクラブイベントって、とても新しいですよね。ほかでは聞いたことがない。酒蔵のみなさんがDJをやるのも新鮮だし、サプライズゲストもいたりなんかして、とても楽しい」と話してくれました。


[WORLD KYOTO]はどんな人でもウェルカム!日本酒と音楽で京都の夜をもっと楽しんで


最後に、「Sake World」を主催するみなさんにも話を聞くことができました。

リーフ・パブリケーションズ Sake事業部の上山賢司さんは「世界中の方にせっかく京都まで来てもらったからには、日本のお酒を飲んで帰ってもらいたいんです。だけど、これまでクラブではずっとテキーラやビール、シャンパンが飲まれてきた。だからこそ、一人でも多くの人に日本酒を楽しんでもらえるよう、それをオセロのように裏返していきたいです。卑弥呼の時代から続いているのが、酒を飲みながら音楽を楽しむこと。神様に音を捧げて、みんなで宴会をして、お酒を飲んで、酔っ払って、神様とつながる。こういうことを、太古の昔はやっていたからこそ、もう一度その文化を復活させたいという思いでやっています」



[WORLD KYOTO]マネージャーの小林さんは「酒蔵にプロのDJが来てイベントやるというのは、これまでもあったけれど、酒蔵のみなさんにクラブに来てもらって、DJをしてもらうのは、いままでにない新しいスタイル。[WORLD KYOTO]はどんな人でもウェルカムなので、いろんな人にクラブと京都の文化に触れてもらう、いいきっかけになれたらと思います」とのこと。



[WORLD KYOTO]オーナーの中本幸一さんは「大阪の御堂筋イルミネーションが盛り上がっているように、この京都木屋町でも、高瀬川を中心に京都市と一体となって何かアクションを起こしていきたいと思っています。[WORLD KYOTO]が“点”として盛り上がるだけではなくて、木屋町全体で“点”と“点”をつくっていくことで、“面”になって盛り上がっていく。そうしたら、もっと京都は夜の街も楽しい、魅力的な世界都市になっていくはず」と想いを語ってくれました。
 


昨年、ユネスコ無形文化遺産にも登録され、いま注目を集める日本酒の「伝統的酒造り」。“酒の都・京都”で巻き起こる、新たな日本酒カルチャーを、ぜひ体感してみては。
 


今回のスポットの基本情報

WORLD KYOTO酒蔵DJイベント 「Sake World」
毎月1回開催 19:00~24:00(LO) 

【開催日情報】
2月の開催日:2025年2月28日(金)
3月の開催日:2025年3月28日(金)
4月以降の開催日につきましては決定次第下記[WORLD KYOTO]公式HPに掲載されます

【住所】
〒600-8001 
京都府京都市下京区西木屋町四条上ル真町97 イマージアムビル 地下
WORLD KYOTO内 1F 奥のBAR FUJIYAMA

【遷移先URL】
WORLD KYOTOスケジュールページ
Sake world公式Instagram

【お問い合わせ】WORLD KYOTO 075-213-4119

【喫煙情報】店内は電子タバコのみ可。店外に喫煙スペースあり
【決済方法】現金、クレジット、電子マネーOK(ただし楽天Edy、nanaco、WAONは利用不可)
【席の予約】前日までにメール(info@world-kyoto.com)にて予約可


今回の記事の読者特典

当日Sake world限定カクテルを購入された方で、オーダーの際に『夜観光のススメ』を読んだ“とカウンターでお伝えいただいた方に“レコメンド日本酒1杯サービス”
※日本酒の種類は毎月開催日によって異なります
特典有効期間:2025年7月の開催日まで


ライター・カメラマン情報

ライター情報 【北村 篤裕】
1991年生まれ、滋賀県長浜市出身。編集者・ライター・映像ディレクター。彦根東高校、神戸大学を卒業後、NHK入局。赴任先の秋田放送局時代に、日本酒と出会う。担当番組は『プロフェッショナル 仕事の流儀 踏み出す勇気、終わりなき革命~杜氏・高橋藤一~』、『クローズアップ現代 “SAKE革命”~日本酒から世界酒へ~』など。好きなものは日本酒

カメラマン情報 【福井 達也】
写真家。神戸生まれ、大阪在住。バンタンデザイン研究所大阪校卒業。学校卒業後、家族写真を中心とした商業撮影の傍ら写真作品の制作に取り組む。現在は商業フォトグラファーとして活動しながら母校での講師活動なども行い幅広く写真と向き合っている。(HP)


今回の記事制作担当

株式会社 リーフ・パブリケーションズ