京都の東山エリア、南禅寺のすぐ近くに佇む名勝「無鄰菴(むりんあん)」。明治時代に造営された歴史ある建物と、琵琶湖疏水の水を引いた軽快な流れのせせらぎが調和する、近代日本庭園の傑作です。日中の緑豊かな借景もさることながら、秋の夜長に人数限定で開催される「限定ラグジュアリー名月鑑賞会」は、観光客でに賑わう京都において、静寂と上質な時間を約束してくれる貴重な機会となります。往時の施主が無鄰菴という別荘で味わった景色を、来場者様がご自分の別荘として味わっていただけるよう、静けさを重視したイベントです。ここでは、9月25日(金)に開催される名月鑑賞会の体験内容について、詳しくお伝えします。
無鄰菴について
無鄰菴は、内閣総理大臣を2度務めた明治の政治家・山縣有朋の別荘で、七代目小川治兵衛が手がけた庭園は国の名勝に指定されています。琵琶湖疏水を引き込んだ流れや、東山を借景とした開放的な芝生が広がる近代日本庭園の傑作です。敷地内の洋館は、伊藤博文らと日露開戦前の外交方針を話し合った「無鄰菴会議」の舞台としても有名です。
©植彌加藤造園 撮影:相模友士郎
今回の名月鑑賞会のポイント
母屋(おもや)とおもてなし
入場後に案内される数寄屋風の母屋は、畳敷きの室内から大きなガラス戸越しに、ライトアップされ始める庭園の全景を贅沢に眺めることができる空間です。
開門直後の17:30はまだわずかに明るさが残る夕暮れ時(マジックアワー)であり、そこから数十分をかけて庭園が星空きらめく夜の景色へと移り変わっていく瞬間を鑑賞できます。室内では、料金に含まれているスパークリングワイン(またはノンアルコールドリンク)と、名月鑑賞会にちなんだ無鄰菴でしか味わえない上品な「特別和菓子(主菓子)」が提供され、和洋がモダンに調和した空間の中で、まずは静かにお庭と対峙し、心を落ち着かせる時間が用意されています。畳でのご鑑賞が基本ですが、ご希望の方にはお椅子席もご用意しております。
©植彌加藤造園
繊細な光が創り出す、夜の庭園と東山の名月
無鄰菴のライトアップは、派手な照明やプロジェクションマッピングは使わず、日本庭園本来の自然な造形美を浮かび上がらせるための「柔らかな光」で統一されています。
©植彌加藤造園 撮影:相模友士郎
水面のきらめき: 琵琶湖疏水から引き込まれた流れの水面が、優しい光を反射してきらきらと輝きます。夜の静けさに響くサラサラという心地よいせせらぎの音は、五感を心地よく刺激します。
©植彌加藤造園 撮影:相模友士郎
名月の借景: 無鄰菴を造営した明治の元勲・山縣有朋も愛でたとされる月が、庭園の借景である東山の空からのぼる姿を静かに見上げることができます。
©植彌加藤造園
古来、日本の月見は、月の出を心穏やかに「待つ」ところから始まります。庭園内を自由に散策しながら、軒先で涼しい夜風とともに名月を鑑賞する贅沢な体験が可能です。
©植彌加藤造園 撮影:相模友士郎
※ 足元と防寒の注意点: 庭園内は、野趣を表した飛び石や、少し足元の暗く狭い小径を歩く構造になっています。そのため、ヒールやサンダルではなく、歩きやすいフラットシューズやスニーカーの着用をおすすめいたします。また、9月下旬の京都の夜は冷え込むことがあるため、薄手の羽織るものが1枚あると快適に鑑賞できます。文化財建築の保護のため、靴下もしくはストッキングを必ずご着用ください。
歴史が息づく「洋館」
庭園の奥に佇む煉瓦造りの2階建て洋館は、夜間に重厚でノスタルジックな雰囲気を強く醸し出します。2階へ上がると、明治36年に伊藤博文らが山縣有朋と日露戦争前の外交方針を話し合った「無鄰菴会議」の部屋をそのまま見学できます(障壁画は一部修理中の箇所はご鑑賞いただけません)。
©植彌加藤造園
同時代の家具や、壁面に施された障壁画が残る静かな空間であり、歴史のロマンに触れられる重要な見どころとなっています。
フラッシュなしでの撮影が可能です。
庭園コンシェルジュによる解説付き
今回の無鄰菴の夜間公開では、京都で創業約180年、南禅寺御用達の植彌加藤造園から専門トレーニングを受けたスタッフによる庭園についての解説付きです。解説は通常非公開の母屋2階の特別室で行われます。無鄰菴のみならず、他の日本庭園の見方についても詳しくなれるチャンスです。
この企画は、定員が30名という少人数制ですので、観光客で賑わっている印象がある京都の他の観光地とは違い、ゆっくりと月見が出来て、日本庭園の味わいを解説付きで干渉できる素晴らしいプログラムです。
無鄰菴へのアクセスについて
無鄰菴は最寄り駅である京都市営地下鉄東西線の「蹴上(けあげ)駅」から徒歩約7分という場所にあります。
蹴上駅からのルートも明快です。1番出口から地上へ出て、目の前を通る大きな通り(三条通)に沿って西へまっすぐ下るように歩きます。道中には、レンガ造りのトンネル「ねじりまんぽ」や「ウェスティン都ホテル京都」といったランドマークがあり、それらを通り過ぎた先の交差点を右折すると、すぐに無鄰菴の入り口に到着します。
基本情報
| 開催日 | 2026年9月25日(金) |
| 開催時間 | 17:30〜20:00(最終入場 19:30) |
| 開催地 | 無鄰菴 母屋(おもや)および庭園 |
| 料金 | 4,500円(スパークリングワインと特別和菓子付き) ※ノンアルコールドリンクあり |
| 定員 | 30名(要予約・先着順、最低催行人数16名) |
| 予約締切 | 2025年9月15日(火)正午 |
| 予約方法 | https://murin-an.jp/events/event-20260925/ |
記事制作協力:植彌加藤造園株式会社
記事制作:京都市観光協会誘致事業課 「朝観光・夜観光」担当