高桐院

大徳寺の塔頭(たっちゅう)の一つで、江戸時代初期の武将で茶人としても有名な細川忠興(ただおき)(三斎(さんさい))が、父・幽斎(ゆうさい)の弟・玉甫紹琮(ぎょくほしょうそう)を開祖として建立した細川氏の菩提寺である。
三斎は、千利休の七人の高弟(利休七哲(しちてつ))の一人に数えられる名手で、書院は利休の邸宅を移築したものといわれる。書院に続く茶室「松向軒(しょうこうけん)」は三斎好みの二畳台目(だいめ)で、三畳の水屋が付き、壁や天井にも趣向が凝らされている。書院の庭は江戸初期の作庭で、また、本堂の前庭は楓(かえで)の樹を巧みに配しているのが特色である。
寺宝として、中国の南宋時代の画家李唐(りとう)の山水画二幅が有名で、現存する墨絵山水画の圧巻と賞賛されている。
境内には三斎と夫人ガラシャのほか、歌舞伎の創始者とされる出雲阿国(いずものおくに)らの墓がある。三斎の墓標の石灯籠は、利休が秀吉の望みを断って三斎に贈ったものと伝えられている。
京都市

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