今でもよく使う京ことば1

今でもよく使う京ことば1
いまでもよくつかうきょうことば1

「~はる」はとても便利な言葉です。だいぶ前になりますが、テレビのコマーシャルで「来やはった、来やはった、お父ちゃん来やはったえ」と言うのがありました。とても京都らしい良いコマーシャルでした。「行かはる、喜ばはる、怒らはる」。「~はる」は軽い敬語と考えてもらえればよいです。例えば、隣の家へ行って、「今日は奥さんいる?」と言うところ、京ことばでは「奥さん、いゃはる?」となります。いるというよりいゃはると言う方が相手に対して、柔らかく思いやりが感じられるのではないでしょうか。京都以外の人は、京都人が父や母、兄弟など家族にも「~はる」という表現を使うのを見てびっくりされるようです。京都に長くあった王朝文化の名残かもしれませんね。公家の人たちは家族にも敬語で話したものです。「シンドイ」の語源は辛労から。つらい、苦しい、くたびれたという意味です。十数年前にテレビドラマで使われてからでしょうか、今や共通語化してしまいました。テレビの影響というのは大きいもので、「マッタリ」もアニメで使われ、全国語になって意味が変わってしまいました。本来は濃厚な味ということで、「梅酒も5年たつとマッタリしておいしおす」というように使ったものです。今はゆったりするの意味で使われることが多くなりました。言葉は生きもの、変化するものです。

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