京ことばの成り立ち

京ことばの成り立ち
きょうことばのなりたち
京ことばは平安の昔から明治維新まで日本の標準語といっても過言ではありませんでした。京ことばの美しさや優雅さは高い評価を受けていますが、それにはちゃんとした理由があるのです。京ことばは、御所ことばと町方のことばが混ざり合い、千二百年もの長い時間をかけて少しずつ変化しながら、今に伝わったものです。私たちが使っている、あるいは知っている京ことばは、江戸後期もしくは幕末から明治にかけてのものがほとんどです。言葉は生きものですから、変化するのは当然ですが、ここ4、50年の急激な変化に嘆くのは私だけではないでしょう。この状況は京都だけではありません。日本中からお国ことばが消えていっています。お国ことばにはそこで培われた歴史や文化があり、匂いや温度があります。先祖の口から口へ受け継いできたお国ことばも、次世代へつないでいってほしいものです。京ことばの柔らかい言葉使いもいつまでも残していきたいですね。